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2019.06.21更新

 

学術委員の岡治道医師が、ザ・フナイ(2019年6月号)の「本物の探究者」特集で紹介されました。

日本人の抱える食問題や栄養療法について、分かりやすく掲載されている記事ですので、数回に分けてご紹介させて頂きます。

 

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「栄養療法の潮流と細胞膜栄養療法」

 岡 治道 先生

 ナチュラルクリニック代々木 医師/日本抗加齢医学会専門医・麻酔科票簿医・整形外科専門医・脊椎脊髄病医

 

■私と栄養療法の出合い

2015年、突然の体調不良により臓器移植手術を受け、一命をとりとめた私は、それまでの手術中心の外科系臨床医としての活動に終止符を打つこととなりました。最先端の医療技術により余命数カ月の死の淵から引き戻され、臓器提供者であった妻よりも早期に改善し、僅か2週間で退院できました。西洋医学の偉大さに心から感謝と敬意を感じた体験でした。

手術直後から強力な免疫抑制剤の服用と食事の制限、1年に及ぶ自宅療養を要しましたが、この貴重な体験と時間によって栄養療法と出合い、この出合いが最先端医療ですら軽視できない栄養の問題に取り組む決意を与えてくれたのでした。

 

■現代日本人の抱える「食の問題」<前編>

1.社会の効率化と食の問題

効率最優先の社会的風潮による家族形態や就労状態の変化は、食事事情にも大きな影響を及ぼしています。それは栄養への軽視と言えるかもしれません。

コンビニ弁当のメニューは華やかで簡便で、効率的に腹を満たしてくれます。ただ、炭水化物中心で、高カロリー、揚げ物などは酸化脂質を多量に含み、濃く甘辛い味付けで健康的とは思えません。また、サラダは食中毒予防を重視するがために、水溶性ビタミンを失うほどまで洗浄された野菜でできています。更に腐敗を防ぐために食品衛生法に適合する範囲の食品添加物が複数加えられているのも周知の通りです。もっとも食品添加物のすべてが悪というわけではありません。それでも複数を同時に使用した場合の許容量と安全性は証明されていませんし、解毒能力や排泄能力の弱いお子さんや高齢者は、思わぬ健康被害に遭う可能性があります。

さらに生産の効率化による、農薬や家畜の飼料に含まれる抗生物質やホルモン剤、食品添加物の使用、海洋・大気汚染など、食材自体の問題からは逃げられず、環境問題を含めて食の安全確保にも取組まなければなりません。

 

2.理想的な食文化とは

食事は、活力を生むためのエネルギー補給や、身体を育み維持するための栄養源の摂取が目的であり、同時に楽しみや喜びを分かち合うコミュニケーションの場として、極めて大切な文化的営みです。最近は和食と地中海食が健康に良いと言われていますが、菜食主義や低炭水化物食(ロカボ食)なども一部で支持されています。

ところで、健康的な「和食」とは何を指しているのでしょうか。

1970年代から日本は高度経済成長期を迎え、食事に対するカロリー量やタンパク量が格段に増加し栄養状態が改善されました。一方、1980年代のアメリカでは肥満と心血管障害の増加により、食事と健康問題が注目され、和食の持つ基本栄養素のバランスが理想的との研究結果に、世界的な和食ブームとなりました。しかし、残念ながら今の日本は洋食化が進み、日本人ですら「和食」がどの様な食事を指すのか分からないほどになっています。

 

3.炭水化物と健康被害

血糖値スパイクと低血糖症

最近になって和食が必ずしも良いとは言えない、との指摘があります。これは炭水化物の総摂取カロリーを占める割合が高く、白米やうどんなどを中心に食べると糖分の消化吸収が急速に進んで、血液中のブドウ糖量が爆発的に増える「血糖値スパイク(グルコース・スパイク)」が起きるからです。

血液中の糖は濃度が高くなるほどタンパク質と強く結合(タンパク糖化反応)し、タンパク質の立体構造を変え、機能を低下させます。糖化されたタンパクは、更に化学反応を受けてAGEs(最終糖化産物)となり強い毒性を持ち、酵素の働きを低下させたりコラーゲンなどを変性させたりすることで血管壁、皮膚、水晶体などにダメージを与え、動脈硬化や糖尿病、更には心筋梗塞や白内障、脳卒中、アルツハイマー型認知症などを引き起こします。

他方で、血糖値の急激な上昇に対して膵臓からインシュリンが一気に分泌されると、低血糖状態になり交感神経が過剰に興奮し、イライラ感や不安感、脱力感にさいなまれ、暴力衝動や無気力を引き起こします。この様な、血糖値のジェットコースターのような乱高下は、自律神経系の失調とホルモンの分泌異常を引き起こし、更に糖化現象や活性酸素の増加による細胞機能の劣化を引き起こします。

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▶続きは、岡治道医師、掲載記事のご紹介②「現代日本人の抱える食の問題<後編>」 

 

栄養療法の潮流と細胞膜栄養療法

 

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.06.06更新

 

そろそろ本州でも梅雨入りを迎えそうです。

梅雨といえば、体調不良の方が増える時期でもあります。

特に、ストレスの強い方、PMSのある女性の方は不調を感じやすいのではないでしょうか。

 

梅雨に体調不良が生じやすくなる要因として、以下のようなことが考えられています。

 

●気圧の変化や寒暖差の影響

気圧の変化を強く感じることで自律神経が不安定になるとともに、寒暖差によるストレスが加わることで身体の恒常性維持機能(ホメオスタシス)が乱れやすく、様々な不調に繋がります。

 

●日照不足

雨や曇りの日が多くなることで日光を浴びにくくなり、体内時計や精神安定に関わるホルモン、そしてビタミンDが合成されにくくなり、精神的不調や免疫力の低下に繋がります。

 

●湿気

湿度が高い状態が続くことで体に水分がこもりやすく、全身がむくんだような状態になり、倦怠感の要因となります。

 

梅雨はこのような要因が重なることで、元々健康に自信がある方でも体調を崩し易くなります。

体調ケアのポイントとして、以下の3つが挙げられます。

 

①自律神経を整える

気圧、寒暖差によって自律神経が乱れないよう、日頃から食習慣や生活リズムを整えましょう。

食事は1日3食、睡眠はできるだけ決まった時間にとるようにし、起床後はカーテンを明けて日光を浴びるようにしましょう。

また、自律神経の機能低下を防ぐため、リゾレシチンや糖鎖栄養素、ビタミンB群、ビタミンC等の栄養素を補うことがお勧めです。

ストレスが強い方は特にこれらの栄養素が消耗されやすいので積極的に補うと良いでしょう。

 

②野菜不足に注意する

野菜や果物に多く含まれるカリウムには、体内の余分な水分を排泄させる働きがあります。

水分不足も脱水による健康問題を招きますので水分補給は十分行った上、しっかりと野菜を摂ることで水分の循環を良くし、不要な水分を溜め込まないようにしましょう。

 

③冷えに注意する

冷えがあると血流や代謝が悪くなり、様々な不調に繋がります。

冷たい飲み物やアイスクリームはほどほどにし、筋力の低下や運動不足に注意しましょう。

冷房のある環境では特に手足の冷えに注意しましょう。

 

 

今年は5月から夏日が続いたり、不安定な天候が続いています。

温暖化などの影響もあり、今後日本の天候がどう変化していくか分かりません。

環境の変化に出来るだけ適応できるよう、丈夫な体づくりと、自律神経の大敵である過度なストレスに注意することは大切なのではないでしょうか。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.05.30更新

 

去る5月26日(日)、2019年度前期ワンデイセミナー(予防医学指導士・資格取得研修会)を開催致しました。

 

今回も予防医学指導士を受講中の方、予防医学を普及させたいとお考えの皆様にご出席頂きました。

お忙しいところ日程を調整しお越し頂いた皆様、誠に有り難うございました。

 

当日の演目・講師をご紹介させて頂きます。

 

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2019年度前期ワンデイセミナー(予防医学指導士・資格取得研修会)

 

【日 時】2019年5月26日(日) 10:00~17:00

【場 所】全理連ビル(4F特別会議室)/東京都渋谷区

 

「脳腸相関と恒常性健康維持のダブルトライアングル/対症療法で病気が改善しない理由/細胞膜栄養療法と分子整合栄養医学療法の相違点」

講師:神津 健一 先生(予防医学・代替医療振興協会 理事長、医学博士)

 

「認知症における脳波解析の有効性について」

講師:鈴木 奈津子 先生(ナチュラルクリニック代々木 事務長)

 

「現代人に必要な食と電磁波による影響」

講師:秋山 知慧 先生(予防医学・代替医療振興協会 学術委員、管理栄養士)

 

「ナチュラルクリニック代々木の症例報告と日常生活で実践できる栄養療法」

講師:梶川 瑛子 先生(ナチュラルクリニック代々木 管理栄養士)

 

「PRA毛髪検査の必要性と癌の代替療法」

講師:上川合 史子 先生(ナチュラルクリニック代々木 看護師)

 

「子供の発育に必要な食と栄養・オキシトシン」

講師:永友 亜実 先生(予防医学・代替医療振興協会 学術委員、管理栄養士)

 

20190526

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丸一日かけた研修会ですが、皆様お疲れ様でした。

研修会の最後に回収させて頂いたアンケートでは「きてよかった」「自分の課題が見つけられた」などの嬉しいお声を頂きました。

皆様のご意見、そして新しい情報を組み込みながら、次回の研修会も充実したものにしていければと思います。

既に資格取得済みの皆様も、知識を高めていく目的でも是非、重ねて参加されてはいかがでしょうか。

 

本年度後期の研修会は、11~12月頃を予定しております。

日時が決まりましたら会員の皆様にご案内をお送りさせて頂きますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.05.28更新

 

本年度より学術委員としてご協力頂くことになった4名の先生方をご紹介させて頂きます。

 

■砺波 洋子 先生

中国算命学研究家。

中国算命学の泰斗、故鹿島正一郎氏に師事し、その教えのすべてを受け継ぐ。

20年に及ぶ経歴の中で、延べ1万人以上の様々な相談に応じてきた。

現在は、学問としての算命学を基礎におきながら、相談者の発する「氣」の流れをみながらカウンセリングを行う。

企業家のコンサルタントとしても活躍中。

主な著書に、「家族のちから」「色を食べる」「開運言玉」など。

砺波洋子先生

 

■茂木 厚子 先生

発達支援「Kids Sense」主宰。

自閉症スペクトラム支援士・保育士。

カリフォルニア州の早期療育施設にて、ASDや発達が気になる子どもたちを対象とした「早期介入セラピー」のノウハウを学び、特別支援教育の現場で実践、経験を積み2007年に帰国。

発達支援相談員・保育園巡回訪問支援・特別支援教育/発達支援講座講師。

石神井冒険遊びの会 相談役・世話人。

著書に「そうだったのか 子どもの行動」(1・2巻)。

茂木厚子先生

 

■三橋 淳子 先生

精神保健福祉士。

神奈川オルタナティブ協議会【オルかな】代表。

みつはし精神保健福祉士事務所代表。

福祉相談員として精神病院や地域福祉の現場に20年間勤務。

その当時、この国の精神薬処方の異常な多さや、当事者への過剰な管理・指導による人権侵害に気づく。

2014年【オルかな】を立ち上げ、「治療より快復を目指す」ための対話会や講演会、農業体験等を開催している。

三橋淳子先生

 

■上川合 史子 先生

看護師、代替医療カウンセラー。

聖マリアンナ医科大学看護専門学校卒業、同大学病院手術室勤務。

その後、代替療法の必要性を感じ、珠光会診療所、銀座東京クリニックにて主にがんの代替療法、免疫療法に携わる。

現在、医療法人社団・一友会ナチュラルクリニック代々木にて、栄養補完の観点からの心身のケア、栄養指導に従事。

上川合史子先生

 

以上4名の先生方となります。

また、2019年度BOARD OF DIRECTORSは7月頃、会員の皆様にお送りさせて頂く予定となっておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.05.07更新

 

幼少期の家庭環境と、健康や人格形成については近年多く研究されるようになってきました。

今回は米・University of California, San DiegoのPatricia East氏らが発表した研究をご紹介させて頂きます。

 

この研究では、21年間の長期にわたり、チリ人の小児1,000例を追跡し、小児期の家庭環境に関る複数の因子が肥満リスクの上昇に関連することを示しました。

 

研究では以下のような調査を行いました。

▶ BMIを5歳・10歳・21歳時に測定し、青年期には最大で3回測定する

▶ 1歳時から10歳時までの家庭及び家族の環境などを調査

▶ 21歳時のBMIに基づき①適正体重②過体重③肥満④極度の肥満に分類し様々な検討を実施

 

その結果、①~④の各群における5~21歳でのBMI上昇の速度には違いが認められ、体格が大きい小児はBMIが上昇する速度が速い傾向にありました。

 

そして、21歳時の高BMIは、家族のストレスや父親の不在、母親の抑うつ、子供をベビーサークルに閉じ込めておく機会が多いこと、1歳時の家庭環境の不潔さ、10歳時に能動的な刺激を与える機会や刺激的な経験の少なさとの関連が見受けられました。

 

また、BMIの急上昇には、1歳時の家庭における学習面での刺激レベルの低さと、10歳時の親の温かい態度や受容する姿勢の不十分さが関連しているとのことです。

 

参考:Medical Trebune「父の不在、母の抑うつなどで子供が肥満に」

 

近年では子供が糖尿病などの生活習慣病やメタボリックシンドロームの状態であるケースが増えてきていると言われますが、食生活に気を付けているつもりでも上記の結果で挙がったような因子が家庭内に複数存在する場合、子供の食行動や代謝に影響し、小児期はもちろん、成人後のリスク因子にもなることが分かってきました。

 

子供の生涯の健康には、「家庭内の安心感」「親の愛情」「多くの刺激(経験)」が大きく影響します。

だからといって食生活を疎かにしていいものではありませんが、日々の忙しさに追われるあまり、また、子どもの健康を大切に思うあまり、盲点になってしまうこともあるのではないでしょうか。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.03.26更新

 

生活習慣病を予防する上で「コレステロールを上げない食事」は基本としてよく挙げられています。

しかし、コレステロールが低過ぎても様々な問題が生じることは盲点となりがちです。

そもそも、コレステロールにはどのような役割があるのでしょうか?

 

【コレステロールの役割】

 細胞膜の材料

 ⇒細胞膜には細胞内の恒常性を維持する役割があるため、細胞の機能=各器官の機能に影響!

性ホルモン、副腎皮質ホルモン等のステロイドホルモンの材料

 ⇒生殖機能、代謝機能、ストレス耐性に深く関与!

胆汁酸の材料

 ⇒食べ物に含まれる脂質の消化吸収に関わる!

ビタミンDの材料

 ⇒免疫力や骨の健康に不可欠!

 

 コレステロールは、細胞膜やホルモン等、私たちの身体に重要な役割をもつものの材料になります。

 そのため、コレステロールが低過ぎる場合、うつや代謝不良、不妊症、脳出血等を生じやすくなるとも言われており、死亡率の上昇等も報告されています。

 

▼総コレステロール値と死因(J-LIT)

コレステロール・死亡率 グラフ

J-LIT(Japan Lipid Intervention Trial)大規模臨床介入試験。1992〜1999年日本全国約5万例の高コレステロール血症患者を対象に、一般診療の場で6年間調査。

参考:大櫛陽一著「コレステロールと中性脂肪で薬は飲むな」(マイベストプロ、hidamari)

 

▼LDL-Cレベルと原因別死亡率

LDL-c

参考:産業医学ジャーナル2011年5月号 論壇

 

 

特に、日本人の若い女性は、無理なダイエットによりコレステロールが減少しやすく、それによりPMSによる辛い症状や不妊症等を生じやすい傾向にあります。

総コレステロール、LDLコレステロールが高過ぎる場合や、LDLコレステロールとHDLコレステロールのバランスに偏りがある場合も、動脈硬化性疾患に繋がりますので注意が必要ですが、必要以上に脂質を制限してしまったり、生活習慣を見直さずに服薬治療をしてしまうことで本来必要なコレステロールも減少してしまうことになります。

 

コレステロールは高過ぎず、低過ぎず・・・低い場合にもリスクがあることを認識しておくと良いでしょう。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.03.13更新

 

とうとうこの時期がやってきましたね。

日本国民の多くを悩ませるスギ花粉!

 

今や日本人の4人に1人は花粉症であると言われていますが、その約70%はスギ花粉症だと推測されています。

これは国土に占めるスギ林の面積が大きく、全国の森林の約18%、国土の約12%を占めているためのようです。

今の時期は鼻炎薬を手放せない方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、薬に頼らず花粉症の症状を和らげる対策をご紹介させて頂きます。

  

近年、花粉症等のアレルギー性鼻炎に悩む人が増加している要因としては、

①花粉の飛散量が増加している(アスファルト・コンクリート増加、温暖化等による影響)

②腸内環境の乱れや、脂質バランスの変化による免疫反応の異常

③多様なストレスによる糖鎖の減少

などが挙げられます。

 

私たちが日頃からできる対処法として、①へはマスク装着等の花粉を寄せ付けない対策がありますが、

②や③への対策として、

・腸内環境改善

・脂質の摂り方を見直し、体の脂質バランスと整える

・ストレスコントロールと、食事やサプリメントによる糖鎖栄養素の補完

・栄養素(特にビタミンC)によるヒスタミンへのアプローチ

などがあります。

 

▼腸内環境改善

腸は免疫細胞の6~7割が集中している人体最大の免疫器官と言われています。

腸内環境が整うことで免疫細胞の働きが正常化され、花粉症などのアレルギー反応の抑制に繋がります。

日頃から、乳酸菌生産物質や乳酸菌、発酵食品の摂取等、腸に優しい食生活を心掛けることが大切です。

 

▼脂質の摂り方を見直し、体の脂質バランスを整える

本来、必須脂肪酸であるオメガ6脂肪酸、オメガ3脂肪酸の摂取比率は「4:1」が望ましいと言われていますが、現代人はオメガ6(リノール酸、アラキドン酸)の摂取増加、オメガ3(DHA/EPA、αリノレン酸)の摂取減少により、その比率が20~25:1に偏ってしまっていると言われています。

このバランスの偏りは、体内で免疫の異常を生じやすくさせてしまい、花粉症などのアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎など、様々な症状を誘発していると言われています。

対策としては、食事の主菜としてDHA/EPAが豊富な魚介類を積極的にとり入れること、αリノレン酸の供給源となる亜麻仁油やエゴマ油等をドレッシングで利用すること等が挙げられます。

花粉症が辛い方はDHA/EPAのサプリメントも利用すると良いでしょう。

また、肉や揚げ物の摂り過ぎに注意することも大切です。

 

▼ストレスコントロールと、食事やサプリメントによる糖鎖の補完

過度なストレスは、免疫細胞の正常な働きに欠かせない糖鎖(細胞のアンテナ)を減少させます。

無理をし過ぎないこと、自分に必要な睡眠・休養をしっかりとることが大切です。

私たちの体に必要な糖鎖栄養素は8種類あるとされますが、米や野菜、海藻類、芋類、きのこなど、バランス良く食事を摂ることで補いやすくなります。

しかし、中にはツバメの巣やアロエ、甲殻類の甲羅等、摂取頻度の少ない食材でないと補いにくいものもありますので、ストレスやアレルギーの悩みのある方はサプリメントを利用することもお勧めです。

 

▼栄養素(特にビタミンC)によるヒスタミンへのアプローチ

アレルギー反応、炎症反応の対策に推奨されている栄養素は多種ありますが、「今辛い!」という方には上記のオメガ3と合わせ、ビタミンCの補完がお勧めです。

もちろん、これらの栄養素は不足により様々な不調を招きますので、日頃からバランスの良い食事やサプリメントの利用で不足がないようにすることが大切ですが、

ビタミンCには、ヒスタミン過剰によるアレルギー反応を抑制する働きがありますので、既に症状が出てしまっている方はサプリメントで多めに摂ってみましょう。

ビタミンCもストレスにより消耗されやすい栄養素ですので、日頃から1日500~1,000㎎、花粉症の症状が出ている時期には1日1,000~2,000㎎程摂取すると良いでしょう。

その場合は摂取量を分けて(例:500㎎×3回)食後に摂ること、吸収効率の良いサプリメント(天然型、タイムリリース等)を選ぶことも大切です。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.03.06更新

 

予防医学の基本として「生活習慣を見直し、改善する」ことが挙げられますが、

「環境問題への取り組み」も予防医学と密接な関係があることは

盲点となりやすいのではないでしょうか。

 

私たちを生かしている水や栄養、空気は、地球からの恩恵です。

空気や大地、水が汚れていると、私たちの健康に非常に大きな影響を及ぼします。

 

例えば、

 

① 処理しきれないゴミが大地に溜まる(またはポイ捨てなど)

    ↓

② 汚染物質が大地に染み込む

    ↓

③ 地下水に混じって川に流れ込む

    ↓

④ 海に流れ込む

    ↓

⑤ 海の水が蒸発して雨雲になる

    ↓

⑥ 雨として野菜・牛・豚そして自分たちに降ってくる

    ↓

経や免疫、遺伝子の異常に繋がる!

 

これはあくまでも一例ですが、私たちが口に入れるもの(食品や水)に気を付けたり、運動や睡眠を見直すだけでは根本的な問題解決にはなっていません。

自分や家族はもちろん、私たちの子孫が健康で幸せに生活するためには、限りある資源を大切にすること、環境問題を見直すことはとても大切です。

 

環境と健康は別分野として扱われることが多いですが、予防医学の重要性を感じている皆様は是非、環境問題についても考えてみてはいかがでしょうか。

 

 参考文献:服部幸應の食育読本(著者 服部幸應、発行 C&R研究所)

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.02.26更新

 

老若男女問わず多くの人達が社会に出て、核家族化も進んでいる現代ですが、「睡眠」の問題に頭を抱えている人は多いのではないでしょうか。

実際に、日本人は他国に比べ平均睡眠時間が短いことが発表されています。

 

就労者の睡眠時間の国際比較
<就労者の睡眠時間の国際比較/e-ヘルスネット(厚生労働省)より引用>

 


「睡眠時間が短いと翌日の仕事に響く」
「病院で、睡眠不足は生活習慣病に良くないと言われた」

など、自身のコンディションや医療機関・メディアからの情報で、睡眠のとり方を見直したり、良い睡眠を心掛けている方、関心をお持ちの方も多いかと思います。

厚生労働省では、以下のように睡眠に関する指針を示しています。

 

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<健康づくりのための睡眠指針~睡眠12箇条~>
1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気に困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

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「睡眠」の役割は、身体や脳を休めること、そして弱った組織を修復すること、などが挙げられます。

睡眠時間が充分にとれなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまう、など、単に時間の長短だけでなく「良質な睡眠」がとれていない状態は、心身の疲労が蓄積し、日中の活動性や生産性を低下させたり、ストレスの処理や代謝が充分行えずに、「うつ」や「生活習慣病」など
様々な不調を誘発します。

 

数年前に「短時間睡眠」の習得が注目されましたが、睡眠時間の適不適はかなり個人差があり、基本的には6~8時間程の睡眠が推奨されています。

また、110万人を対象としたある調査では、睡眠時間が平均7時間の人は最も死亡率が低く、8.5時間以上または4.5時間未満の睡眠時間では死亡のリスクが15%高まるとの結果も出ています。

 

まだご自身の最適な睡眠時間を把握していない方は、1週間、就寝・起床時間を決めて生活をしてみて体調の良し悪しを観察してみると、必要としている睡眠時間の目安がある程度分かりますのでお試しになってみて下さい。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.02.20更新


皆さんにとって「健康」とは、どういう状態でしょうか?

世界保健機関(WHO)では、「健康」を以下のように定義しています。

 

「健康とは、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態のことであり、それは単に病気や虚弱でないことではない」

 

「健康」と聞くと、身体的な健康をイメージすることが多いかと思いますが、WHOの定義では、精神的、そして社会的な健康も含まれています。

この定義自体は半世紀以上も前につくられたものになりますが、現在の日本では、精神的・社会的な不調和から様々な問題が生じており、「健康の定義」に納得できる方も多いのではないでしょうか。

 

また、健康状態を示すものに、「ミニマム・ヘルス」「オプティマム・ヘルス」という言葉があります。

 

▼ミニマム・ヘルスとは?
単に病気ではない、というような最低限の健康状態を示します。
例えば、疲れが抜けなかったり、精神的に不安定な状態であったとしても「病気でなければ健康」というような意味です。

▼オプティマム・ヘルスとは?
その人にとっての理想かつ最善の健康状態を示します。
例えば、ミニマム・ヘルスのように単に病気でない、という状態ではなく、心身ともにベストな状態で、自然と活力に満ちているような状態を意味します。

 

一般的にはミニマム・ヘルスのような「病気でなければ健康」が健康状態の指標として捉えられていますが、オプティマム・ヘルスはより、WHOの健康の定義に近く、QOL(生活の質)や幸福度が高い健康状態であると言えるでしょう。

 

日本でも年々予防医学が重要視されるようになってきており、国でも平均寿命だけではなく健康寿命の延伸に向けた対策等を行っていますが、個人でも健康の見直しや予防医学の普及活動を行う方が増えてきました。

 

皆さんも今一度、ご自身の「健康」の考え方を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

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