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2024.07.10更新

 毎日の食事で、必要な栄養が足りなかったり、栄養バランスが悪かったりすれば、活動性が鈍るだけでなく、免疫力が低下します。そして認知症や癌のような、細胞組織の異常から起こる病気にもなりやすくなります。

 なぜなら、人は食べたものによって体ができているからです。老化によって記憶力や認知力は低下しますが、食べ物の栄養によって脳と体が作られる以上、脳機能の健康も、食事のあり方で大きく変わってくるのです。例えば、脳の30%はレシチン(リン脂質)でできています。脳の神経細胞には、セロトニンやドーパミン、アセチルコリンなどの情報伝達物質がありますが、これらは、レシチンや糖鎖などの栄養成分を十分に摂ることで、バランスよく脳内に存在することができるのです。「記憶力が年々低下している」「認知症の家族に何をしてあげたらいいかわからない」こんな時は、まず毎日の食事を見直すことから始めてみませんか?

 

【脳を疲労させ、記憶力や認知力を落とす食生活】

 下記のチェックボックスで当てはまるものにチェックを入れてみましょう。6つ以上チェックがある人は「疲れが取れない」「イライラして集中力が出にくい」「物忘れしやすい」などの脳機能の不調を感じているのではないでしょうか。今すぐその悪習慣に別れを告げて、脳を鍛える正しい食べ方を学びましょう。

□ 肉料理が多く、魚類(特に青背の魚)はあまり食べない

□ レシチンを多く含む大豆、大豆製品、卵(特に卵黄)、ゴマなどをあまり食べない

□ 野菜や生の果物をあまり食べない

□ うどんやおにぎりなどの炭水化物だけで腹を満たすことが多い

□ コロッケやフライなどの揚げ物を、コンビニなどで買ってきて食べることが多い

□ 白砂糖を含む食品(甘い菓子、スナック菓子、加糖コーヒー、清涼飲料水)をよく摂っている

□ コーヒーや紅茶などカフェイン飲料を一日10杯以上飲んでいる

□ ラーメン、スナック菓子、できあいの惣菜や弁当など添加物の多いものをよく食べている

□ 長期間にわたって、お酒を泥酔するまで飲む習慣が続いている

□ イライラしたり、一人でくよくよ悩みながら食事を摂る(お酒を飲む)ことが多い

□ 喫煙している

 脳にとってマイナスな食事とは、

①ビタミンやミネラル、不飽和脂肪酸などの栄養成分が足りない

②添加物、化学調味料が多い

③塩分が強い

④カフェインやアルコールなどの刺激物が多い   などです。

 身体の老化をもたらす生活習慣病と、ほとんど同じです。血糖や血圧、コレステロールの問題は、男性は早ければ30代後半から、女性は40代後半から起こりやすくなります。脳機能の衰えを自覚するのは、それよりも10年ほど後、40~50代になるかもしれません。まさに「最近、ちょっとぼけ始めた?」「物忘れがひどくて…」と不安になる時期と、ぴったり当てはまるのではないでしょうか。

 では脳機能の低下を防ぐにはどうしたらいいでしょうか? 体を作っている細胞のひとつひとつは、日々入れ替わります。脳では、細胞そのものは入れ替わりませんが、個々の細胞を作っている分子が刻々と入れ替わっています。その分子を作る材料がうまく食べ物として補給されればいいのです。

【脳のストレスを取り除く栄養成分とは】

 ここに挙げる栄養成分は、「脳を鍛える栄養成分と食品」の代表的なものです。大切なのは、毎日の食生活で体と脳にストレスを与えないこと。そしてここに示した栄養成分を十分にとるにはどうしたらいいかということです。

★レシチン…大豆製品、卵黄、ゴマ、うなぎ、小麦胚芽、チーズ、レバー、緑黄色野菜(人参、ブロッコリー、ピーマンなど)、酵母

★DHA/EPA…マグロ、鮭、タラ、ブリ、ハマチ、青背の魚(イワシ、ニシン、サンマ、アジ)、ウナギ

★GABA…玄米、トマト、ナス、アルファルファ、小魚、納豆、味噌、漬物

★各種ミネラル…海藻類(海苔、ヒジキなど)、大豆製品、あさり、玄米、切り干し大根、ナッツ類

★ビタミンB群…豚肉、レバー、玄米、胚芽米、青背の魚、ウナギ、カレイ、マグロの赤身、カツオ、キノコ類

★ビタミンC…ブロッコリー、カリフラワー、小松菜、ホウレン草、赤ピーマン、柿、レモン、いちご、イモ類

★糖鎖…キノコ類、ツバメの巣、藻類、亜麻、サメ軟骨など

 

 世界中で多くの研究者が、認知症と食事について、研究報告を発表しています。中でも多くのデータが出てきているのは。高脂肪、高エネルギーの食事と認知症との関係です。東京都老人総合研究所の「認知症高齢者に関する総合的研究」では「アルツハイマー病のモデルマウスに食事を与える時、エネルギー(カロリー)を制限するとアルツハイマー病の特徴である脳の老人斑の形成が約1/3に減少します。逆に、エネルギーの高い高脂肪食を与えると、老人斑の形成が2倍に増加します」というデータを紹介しています。

 エネルギーや脂質の摂り過ぎは、糖尿病や高血圧の原因になり、体内の酸化ストレスを増加させることから、癌の発症にも関係すると言われています。当然、脳の認知機能にも影響を与えます。炭水化物(糖質)のうどんやパンを食べ過ぎず、ビタミン、ミネラルを多く含んだ野菜や、脂質が低くたんぱく質が多い魚や大豆製品をしっかり摂る必要があります。また甘いおやつの食べ過ぎにも注意しましょう。

 つまり脳トレより食トレです。「高脂肪を避け」「バランスよく食べる」をできるだけ早い時期から行いましょう。

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2024.06.10更新

手足が冷たいなど冷え性で悩んでいる人は、女性では66.6%、男性では43.2%の調査結果が発表されています。冷え性を放置しておくと、免疫力が落ちて風邪やウイルスに感染しやすくなるだけでなく、体温維持機能が低下するために体温が下がり、なかなか元に戻りにくくなってしまいます。冷え性の改善には、食事の仕方や衣類、運動、入浴の仕方など、日常において様々な方法がありますので、できるところから実践しましょう。

■衣類
麻、ウール、シルク、綿のような天然素材は、吸収性や保湿性が高いのでお勧めです。あまり締め付けの強い洋服を身に着けると、圧迫されるために血行が悪くなり、かえって冷えを引き起こしてしまうので、ゆとりがある服装を選ぶようにしましょう。また身体の血液は重力の影響で約70%が下半身に集中しています。足が冷えると血流が悪くなり全身に巡る血液の量も少なくなるので、足元から温めましょう。

■運動
寒い所では、交感神経の働きによって毛細血管が収縮し、体の表面の温度が低くなります。散歩やラジオ体操などで身体を動かすことで、筋肉で熱が作られ、血液の巡りが良くなって身体が温められます。冷えを感じたら、手足の力を抜いて、手首・足首をブラブラさせるだけでも血行促進効果が得られます。

■入浴
お風呂は身体の汚れを落とすためだけではありません。「湯治」という言葉がある通り、湯に浸かることで体の機能の回復が促進される効果があります。38~40度の湯船にじっくり浸かると、体を休める副交感神経が優位となり、毛細血管が広がって血行が促進されます。入浴効果を高めるためには、塩や日本酒をコップ1杯程度入れたり、よもぎやはっか、ゆずなどの薬草を入れる方法があります。

■食事
冷え性を改善させるために、体を温める食べ物を摂り入れるようにしましょう。身体を冷やす食べ物は、焼いたり蒸したりするなど加熱する、果物なら干す、また、体を温める食べ物と一緒に摂ることで、体を冷やす性質が弱まります。冷えを感じる時は、食べ物も飲み物も温かい物を選びましょう。

■温熱性の食材(陽性食品)と寒涼性の食材(陰性食品)
食材には体を温める「温熱性の食材(陽性食品)」と、体を冷やす「寒涼性の食材(陰性食品)」があります。「平性の食材」はどちらでもない中間の食材のことを言います。体が冷えやすい方は、寒涼性の食材は加熱したり、温熱性の食材と一緒に摂るなどして体を温める工夫をしましょう。例えば、大根は体を冷やす陰性の食品ですが、煮物や鍋物の具として温めて食べれば「冷やさないもの」になり、温める食材の生姜やねぎを加えて調理すれば「体を温める料理」になります。また体を冷やす夏野菜であっても、加熱したり薬味を足すことで体を温める料理になります。

陽性と陰性

 

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2024.05.10更新

 食べ物と健康の関係は、古い時代から語られてきましたが、食品に含まれる成分を「栄養素」として抽出、分析され始めたのは1700年代からです。長い歴史の中で、栄養素は身体を作り、動かしている、私たちの健康に欠かせないものだということが明らかになりました。

 特に私たちの身体を動かすエネルギー源になる、糖質、たんぱく質、脂質については「三大栄養素」と呼ばれ、三大栄養素を摂ることの重要性が広く知られるようになりました。

 臨床では、生活習慣病の予防や治療食は、エネルギー量を重視し、カロリー計算がなされるようになりました。食べ物でカロリーを摂りすぎれば太り、カロリーを摂らなければ痩せるという考え方は、ダイエットの基本概念となっています。

 また、ビタミン・ミネラル類は微量栄養素として、身体の調子を整える成分としてよく知られるようになりました。日本では、厚生労働省で「栄養所要量」が定められ、日本人が一日に最低限必要な栄養素の量を指導しています。これはビタミンA欠乏のために起こる「夜盲症」や、ビタミンD欠乏のために起こる「くる病」、ビタミンB1欠乏のために起こる「脚気」等の「ビタミン欠乏症」や「ミネラル欠乏症」を防ぐことのできる量を示しています。

 栄養素を不足しないように摂取することで、欠乏症の予防やカロリー不足を解消し、病気になるリスクを減らすことができます。

※「栄養所要量」日本人が健康を保つために必要なエネルギー及び各栄養素の標準的な摂取量を示すものです。具体的には、年齢や性別に応じて一日当たりに必要なエネルギーや各栄養素について、それぞれの数値をまとめたものです。バランスのとれた食事の献立作りの基準として、幅広く用いられています。

 栄養所要量が定められたことで、健康的な食材選びや食べる量の目安がわかりやすくなりました。栄養成分表に従い、食料の重量を計測することで、その食材に含まれる栄養素の量やカロリー量を算出し、コントロールできるようになりました。

 

農業

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2024.04.10更新

 私たちの性格は、ほとんど脳に支配されていると言えるでしょう。笑ったり、怒ったり、冗談で人を楽しませたり、暴言で人を傷つけたり…。これらの喜怒哀楽や行動パターンは、脳の指令に依存しています。もっと詳しく言うと、脳内のホルモン分泌や、神経組織の情報伝達が、私たちの気持ちや行動を左右しています。

 私たちの脳内には、嬉しくなるホルモン、充実した気持ちになるホルモン、恐怖を感じるホルモン、イライラするホルモン等があり、その分泌の仕方によって、考え方や行動まで変わってしまいます。

 ホルモンの原料は何でしょう? 食べ物からできています。ひとりぼっちの食事(孤食)やインスタント食品中心(食品添加物)の食事…。朝食抜きや夜遅い食事。スナック菓子や清涼飲料水などの間食…。このような食生活を続けていると、食べ物の偏りや生活習慣から、イライラするホルモンが多く分泌されるようになります。すぐに怒ったり、飽きっぽくなったりします。

 一人で食事をする子供、週に3回以上朝食を抜いている子供は、将来犯罪に走る率が高いというデータも出ています。

 一方、良質なたんぱく質やビタミン・ミネラルの豊富な食材を食べ、家族と一緒に楽しい食事をすると、ドーパミンやセロトニン、GABAという快感物質(ホルモン)が出てきて、幸福感でいっぱいになり、キレたり怒ったりしなくなります。また集中力がつくので、勉強や仕事がはかどるようになります。

 このように食事は、人間の気持ちや性格まで変えてしまうほど、大切なものです。

お鍋

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2024.03.10更新

 「統合医療」は、現代西洋医学のと代替医療が、互いの長所を生かし、短所を補うことで統合発展した時に、実現できる全人的医療です。具体的に統合医療が、どのような形で実践されるかは、個人の体質や環境によって異なると考えられるため、統合医療はオーダーメイド医療であるといえるでしょう。

 統合医療では、病気は一次予防のため、つまり病気にならないようにするための代替医療として、特に食事療法や、栄養補助食品が、重要視されるものに挙げられます。病気の診断や治療は、現代西洋医学のの得意分野です。しかし統合医療では、病気と闘うことよりも健康を維持し病気を予防することが協調されます。

 社会や環境が、健康な生活を維持するのに適していなければ、個人が健康であり続けることは難しいでしょう。従って、予防医学を主体とする統合医療の実現には、代替医療の実証や医療制度改革、代替医療を評価し選択するためのシステム作りだけでなく、健康の維持増進に適した社会や環境を整えることが不可欠です。

 統合医療を実現するためには、関係する政府機関や民間企業、消費者である私たちが、それぞれの立場から発言し、代替医療を発展させることが必要となります。統合医療実現のカギを握るのは、関係する多くの団体や人々の協力です。

 まず、研究体制のさらなる充実が必要となります。統合医療のための研究には、臨床研究や基礎研究だけでなく、医療システムなど社会医学的な研究も含まれます。米国では代替医療の臨床研究は設備されつつあるので、現時点では、基礎研究や社会医学的研究の重要性が指摘されています。一方に、日本ではいずれの研究もまだこれからという段階です。

 これらの研究の推進には、大学や公的研究機関に加えて、関係する民間企業による協力も不可欠です。

 研究

 

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2024.02.10更新

 代替医療には、前項で述べたように沢山の種類があります。個々の代替医療は、それぞれの民族や国家、文化的背景から体系化されてきており、理論や施術方法を見るとき、必ずしも似通っているとは言えません。しかし、これら多種多様な代替医療にも、次のような共通する原則があります。

①予防を最善とする医療である

➁自己治癒力を利用する

③全人的医療である

④安全性が第一である

⑤利用者が積極的に関りを持つ医療である

 

①予防を最善とする医療である

 代替医療は、健康増進や病気の予防に利用されることも多くあります。疾病の予防が代替医療の究極の目標です。予防医学では、病気にならないように気を付ける「1次予防」が重視されます。現代西洋医学は病気の診断と治療を主体とした医学であるため、病気の早期発見と早期治療である「2次予防」や、病気の治療やリハビリテーションを行う「3次予防」を得意とします。これに対して、代替医療には健康法なども多く、1次予防が中心となります。もちろん3次予防として、治療やリハビリテーション目的に用いられる代替医療も少なくありません。しかし一般に病気の1次予防には代替医療が適切です。予防医学における現代西洋医学の役割は、その人がどんな病気になりやすいかを個人の遺伝情報などによって診断することであり、代替医療の役割は、その情報に基づいて病気の予防に努めることであると考えられます。

➁自己治癒力を利用する

 代替医療の原則の一つは、自己治癒力を利用することにあります。私たちの体は、健康を維持する能力、障害から健康を回復する潜在力を持っています。つまり、適切なきっかけを与えたり、環境を整えたりすれば、私たちの体は自らを治す力を発揮します。もちろん、現代西洋医学でも、代替医療と同様に、自己治癒力が利用されます。医師の役割は、自己治癒力による回復を順調に進めるため、障害を除き治療に向かうように環境を整えることです。代替医療も現代西洋医学もどちらも自己治癒力を大いに利用しているわけですが、現代西洋医学の方は医学によって病気を治しているのだという意識が医療者側に存在するのに対して、代替医療の方は治療過程において裏方に徹しているといえるかもしれません。各種代替医療についての理論の解説や宣伝・広告には、必ずと言っていいほど「自己治癒力(あるいは自然治癒力)を高める」といった表現があるはずです。

ホメオスタシス

 

③全人的医療である

 代替医療は、対象となる人を「全人的」に扱うという特徴があります。一方、現代西洋医学では、その人の全体を見るというよりは、症状や検査データに基づいて原因を特定し、疾患を診断することが重要であり、診断結果に基づいて治療が決定されます。一般に診断が同じであれば、治療薬は同じになります。急性期にある疾患に対しては、このアプローチで十分ですが、生活習慣病や慢性疾患では必ずしも有効でないことがあります。代替医療は、考え方が少し異なります。例えば漢方薬を処方する時、まずその人全体を診て体質を判断し、処方が決まってきます。そのため、同じ症状や病気であっても、人によって処方される薬が異なってきます。ある人が健康であったり、病気になったりするのは、心身の相関、精神や感情、遺伝や環境といった様々な要素によります。代替医療の考え方は、個人の健康状態を決めるこれらの要素の調和を保つことが、健康を維持することになるというものです。代替医療は、れらの要素に介入することによって、健康を維持し、病気を取り扱う「全人的医療」なのです。ところで全人的医療を表す言葉として「ホリスティック医学(医療)」があります。これは1960年代の米国で、現代西洋医学に対する批判として提唱されはじめた概念であり、自己治癒力を重視するという特徴があります。ホリスティック医学では、アーユルヴェーダや中国医学といつた代替医療の考え方も採り入れていますが、ホリスティック医学自体は代替医療ではなく、統合医療に近い考え方です。なおホリスティック(holistic)はギリシア語の「holos(全体)」を語源としています。人間を臓器の集まりによって成り立っていると考える現代西洋医学に対して、ホリスティック医学では、健康や癒しとは、本来身体だけでなく、目に見えない精神・霊性も含めた人間の全体性と深く関係があると考えます。つまり血液検査や尿検査が正常値だから健康であるのではなく、身体と精神や環境が、程よく調和している状態こそが最良の健康だと定義づけられています。自分の健康を病院や医師に委ねるのではなく、積極的に自分の身体や心の状態を知り、自主的に関わることで、病気の治癒や予防が可能となります。

④安全性が第一である

 代替医療のもっとも重要な原則として、安全性が挙げられます。健康の増進と病気の予防を、主な目的とする種類の代替医療では、副作用がなく安全であることが求められます。そして医療事故や副作用に関して、これまでの報告から判断すると、代替医療の方が現代西洋医学よりも安全性が高いといえるようです。重症化してしまった病気や難病を扱う現代西洋医学の分野の方で、副作用報告が多いのは仕方のないことかもしれません。また代替医療によるトラブルが全くないわけではありません。

⑤利用者が積極的に関りを持つ医療である

 多くの代替医療にみられる特徴として、利用者である私たちが代替医療の実践に積極的に関わっていくという点が挙げられます。例えば、瞑想やヨーガといったリラクゼーションのための治療、栄養補助食品の選択や様々な食事療法といった代替医療は、提供者側からのアドバイスや指導を参考にしつつ、実際に実践し継続するのは、利用者である私たちです。これに対して、現代西洋医学では、診断や検査、治療に至るまで基本的に医師によって行われるため、利用者である患者が主体的に参加する余地は小さいと言えます。

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2024.01.10更新

 米国では、代替医療の研究機関として国立補完代替医療センター(NCCAM)が設立されています。NCCAMによると、代替医療は次のように定義されます。

「代替医療とは、現時点において通常医学の一部としては一体化していないヘルスケアあるいは医療を指す。一般に代替医療は、医師やオステオパシー医師によっては行われていない種類の医療であり、現代西洋医学や主流医学、生物医学などとは異なる。なお、代替医療として分類される医療行為のリストは、社会情勢や化学的根拠などに基づいて変更され続けるものである。」

 代替医療として包括される医療は、非常に広範にわたります。ここでは、米国のNIH(国立衛生研究所)による分類に従って、代替医療を次のように分けてみました。

 

①代替医学システム(Atllernative Medical Systems)

  代替医療の中でも、特に体系化された医学であり、身体と精神の調和を重視する特長を持ちます。これに分類される代替医療の多くは、非西洋社会における思想や信条に基づいており、現代西洋医学が体系化される以前に確立した伝統医学です。代替医学システムの具体例としては、例えばインドの伝承医学会系であるアーユルヴェーダや、中国の伝統医学などがあります。また古代ギリシアから近世に至るまでのヨーロッパで主流であった医学システムもこれに分類されます。更に近世のヨーロッパや米国に起源を持つ代替医療であるホメオパシー(同種療法)やナチュロパシー(自然療法)もここに分類されます。

 

➁精神と身体への介入による代替医療(Mind-body interventions)

  精神へ働きかけることで、精神面から身体面への介入を行い、体の障害や症状に作用する代替医療です。精神へ働きかける手段としては、心理学的あるいは行動療法的なものが考えられます。ここに分類される代替医療としては、例えば瞑想(法)やヨーガ、睡眠療法、芸術療法、音楽療法、ダンス療法などがあります。

 

③生物学的療法(Biologically based therapies)

  食事や薬草などによって、生物学的な作用に基づいて行われる代替医療です。例えば、様々な食事療法、ビタミンやミネラルといったサプリメントによる栄養療法、ハーブ療法、動植物などから抽出した成分をサプリメントとして用いる治療法、EDTAという化合物やオゾンを利用する療法などがあります

サプリメント 

 

④手技及び身体を介する療法(Manipulative and body-based methods)

  治療者の手技を用いて行われる治療法、あるいは身体を操作することを治療法とする代替医療です。ここに分類される代替医療としては、カイロプラクティック、マッサージ療法(按摩や指圧、リフレクソロジー、欧米式マッサージなど)、温熱療法などがあります。

 

⑤エネルギー療法(Energy therapies)

  エネルギー療法とは、身体の内部に由来するエネルギーの場、あるいは外部から身体に働きかけるエネルギーの場を利用した治療法です。具体的には中国医学の気功やセラビューティック(治療的)・タッチ、生物電磁気学的療法などがあります。 

 

 以上の分類では、複数のカテゴリーに属する代替医療も存在します。例えば、瞑想(法)は精神と身体への介入による代替医療に分類されますが、同時に代替医学システムと考えることもできます。更に、代替医学システムに含まれる気功やヨーガといった治療法は、それぞれ別のカテゴリーにも分類されます。

 

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2023.02.07更新

 私たちの脳は、神経細胞(ニューロン)のネットワークによって沢山の情報を処理し生活していますが、その情報は電気信号として素早く脳の中を走り、そこに感情が生じてくるように働いています。神経細胞と神経細胞の間には、シナプスと呼ばれる連絡部分があり、電気信号で送られてきた情報の量に応じて、神経伝達物質が送り出され、次の神経細胞のシナプスに渡すことで情報が伝わっていきます。この神経伝達物質はセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、アセチルコリン、エンドルフィン、GABAなど100種類以上ありますが、この連携がうまく取れている時は、人間の体や精神は調和のとれた状態になります。特に感情面の調和では、3つの神経伝達物質セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンが重要です。これらは、お互いに影響を与え合っていますが、中でもセロトニンは、ドーパミンやノルアドレナリンの暴走を抑えてコントロールを行うため、心のバランスを取る司令塔的な役割を担っています。
 セロトニンの主な働きは、精神を安定させ幸福感を生み出すことですが、セロトニンを増やすことで、ドーパミンやノルアドレナリンの過剰分泌や減少、枯渇を防ぐことができます。簡単に表すと、ドーパミンやノルアドレナリンの分泌は、欲望や欲求の心である「本能」の状態で、それを抑える「理性」がセロトニンの分泌になります。ところがセロトニンは、過剰なストレスや本能を抑え続けているうちに消費されて疲弊していきます。セロトニンが少なくなると、「理性」の蓋は外れて、ドーパミンやノルアドレナリンの暴走を止めることができなくなり、欲望のままに行動したり、攻撃的になったり、うつになったりと、不安定な精神状態に陥ってしまいます。またセロトニンは、朝起きた時から分泌が始まり、日が沈む夕方まで分泌され、夜には分泌が抑制されてセロトニンを材料にして「メラトニン」という睡眠ホルモンが分泌されます。セロトニンの不足は睡眠の質にも影響を与えます。

 ドーパミン

 

【セロトニン不足+ドーパミン過剰】
 ドーパミンが過剰になると、セロトニンによって抑えられていた「欲望への歯止め」が効かなくなるので、過食やアルコール、タバコ、ギャンブル、恋愛、買い物依存、ネット依存、ゲーム依存、スマホ依存など、何かに深くのめり込み「依存症」を起こしやすくなります。また思考機能が過剰に働いて、見えないものが見えたり、聞こえない声が聞こえたりといった幻覚や妄想の症状を伴う統合失調症を発症する原因とも考えられています。ドーパミンの暴走は、日常生活での「感情の抑圧」や「我慢のしすぎ」によって起こるストレスが引き金となります。「やりたいことができない」「言いたいことが言えない」というストレスは、我慢を続けることでセロトニンを消費し続ける一方、やりたいことへの渇望がドーパミン分泌を増加させます。

【セロトニン不足+ドーパミン不足】
 ドーパミンは物事への意欲やモチベーションを生み出す物質ですが、セロトニンとドーパミンが同時に不足すると、物事への意欲が喪失し「やる気が出ない」状態に陥ります。無気力で物事への関心や興味も薄れてしまいます。ドーパミンには意欲を生み出し、ストレスに打ち克つ作用もありますが、不足すればその作用が失われ、ストレスを受けることで、すぐにくよくよしたり、行動力が低下して家から出るのもおっくうになり、引きこもりや不登校、出社拒否などに繋がります。また慢性的なドーパミン不足が続くと、筋肉をコントロールすることができなくなり、パーキンソン病の原因となる場合もあります。

【セロトニン不足+ノルアドレナリン過剰】
 いつもハイテンションな状態の人や、ちょっとしたことでも怒ってしまい、怒鳴り散らすような人がいますが、こうした人の中には、ノルアドレナリンの分泌が過剰な人が多く、この過剰なノルアドレナリンによって、セロトニンの消費が激しくなり不足してしまうことがあります。セロトニンの不足とノルアドレナリンの過剰によって起こるのは、すぐに激昂する、狂喜乱舞、攻撃性や暴力性を増す、常に落ち着きがない、集中力がないなどの症状が現れやすくなります。またノルアドレナリンは交感神経系を刺激して血圧を上昇させるので、ストレス等によって慢性的に過剰な状態が続けば、長期的には高血圧症や心筋梗塞、脳梗塞、更には生活習慣病などの発生リスクを高めます。また、覚醒型の不眠症にも関係があります。

【セロトニン不足+ノルアドレナリン不足】
 ノルアドレナリンやセロトニンは、ストレスに対抗するために分泌されますが、ストレスが長期間続くことにより、やがてこれらの物質は不足に転じます。セロトニンとノルアドレナリンの両方が不足した状態は、ストレスへの耐性が下がり、気持ちが動揺しやすくなったり、神経過敏で普段は気にならない小さなこと(例えば周囲の音や臭いなど)が気になって仕方がない、消極的になる、ネガティブな感情が現れる(恐怖、自殺観念、強迫観念、不安感など)、プレッシャーに弱く物事から逃避してしまうなどの症状が起こりやすくなります。セロトニンとノルアドレナリンが同時に不足した時の症状は、うつ病の発症時の症状ともよく似ています。そのため、うつ病の治療に使用される抗うつ薬は、セロトニンやノルアドレナリンの脳内の濃度を高める薬が用いられています。またノルアドレナリンの減少は、性欲の減退にも関係しています。

 

【セロトニンの分泌を促そう】
 セロトニンは体内で生成される神経伝達物質のため、食事やサプリメントなどを利用して直接的に増やすことはできません。そのためセロトニンを生成しやすい体内環境にしていく必要があります。

① セロトニンを生成する材料となる「トリプトファン」を摂取する
トリプトファンは体内で合成できない必須アミノ酸(9種類)の一つで、食事やサプリメントから毎日摂取する必要があります。トリプトファンは様々な食材に含まれていますが、偏食により不足します。和食を中心とした食生活を送り、セロトニンの生成に関与するビタミンB6や良質なタンパク質、炭水化物もバランス良く摂取する必要があります。過剰摂取(1日1g以上)は肝機能障害のリスクが高まるため、サプリメントを利用する場合には注意が必要です。


<食品中のトリプトファン含有量(可食部100gあたり)>
玄米 82mg マグロ赤身 270mg 木綿豆腐 98mg
鮭 250mg 豚ロース 280mg 豆乳 53mg
カツオ 310mg 鶏むね肉 270mg ※バナナ 15mg
※バナナは含有量がそれほど多くない食材ですが、ビタミンB6、炭水化物などバランス良く含まれているため、効率良くセロトニンを生成することができる食材です。
 
② 太陽の光を浴びる
 太陽の光は、網膜を刺激して直接的にセロトニン神経を活性化させます。セロトニン神経は30分程度で活性化するため、散歩やウォーキングなどの習慣をつけて出掛けましょう。

③ リズム運動
リズム運動とは、歩行、呼吸、咀嚼など、リズムカルに行う運動です。ウォーキング、ジョギング、自転車こぎ、スクワットなどを集中して5~30分程度、生活の中に採り入れてみましょう。セロトニン神経を活性化することができます。

④ ガムを噛む/歌を歌う
 スポーツ選手が試合中にガムを噛んでいる光景を見たことはありませんか? 咀嚼のリズム運動として「噛む」という行為もセロトニン分泌が盛んになり、ネガティブな気持ちを解消する効果があります。また歌を歌うことも、「息を吐く」という腹筋のリズム運動になるのでお勧めです。

⑤ スキンシップとグルーミング(オキシトシンの分泌を増やす)
ペットをなでたり抱きしめたりマッサージしたり…。スキンシップを行うと男女差なくオキシトシンという神経伝達物質が分泌されます。オキシトシンはストレスを緩和する効果があり、別名愛情ホルモン、恋愛ホルモンと呼ばれ、人が感じる「愛情」に関わっているホルモンです。オキシトシンの分泌が増えると、脳内のセロトニンも比例して増えます。それはセロトニン神経がオキシトシンの受容体を持っているためで、オキシトシンはセロトニン活性も誘発します。

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2022.12.16更新

 近年、若者の顔つきが変化し、エラの張った顔が少なくなり、顎の小さな三角顔や、面長のうりざね顔が多くなっていると言われています。人類学者や歯科医の中には、これは硬い食べ物を好まず、柔らかい食べ物に偏った食生活の影響だと警告しています。また「早食いで食べ物をよく噛まない」「飲物と一緒に流し込むように食べる」など、噛む習慣が無くなっているケースも見受けられます。この結果、顎が十分に発育せず、歯の生える場所が狭くなり、歯並びが乱れることに繋がります。歯並びが乱れると、見た目が悪いばかりでなく、歯の清掃が不十分になり、ムシ歯や歯周病にかかりやすくなるという悪循環が生まれます。更に最近の研究では、食べ物をよく噛むこと、つまり「咀嚼」が口腔保健の面ばかりでなく全身の健康にも大きな影響を与えることが判明しています。

■ひみこのはがい~ぜ

「ひみこの歯がい~ぜ」とは、日本咀嚼学会が提案している噛むことの効用を、咀嚼回数の多かった弥生時代の卑弥呼にかけて表したものです。卑弥呼の食事は、玄米のおこわや乾燥した木の実、干物など、硬くて噛み応えのある食材で構成されていました。そのため、当時の噛む回数は1食で約4000回とされ、現代人の約6倍と言われています。
よく噛むことは
【ひ】満腹中枢が刺激されて、食べ過ぎ防止になります。
【み】ゆっくり味わうことによって味覚の発達を促します。
【こ】口の周辺筋肉を使うため、発声や表情が豊かになります。
【の】脳細胞の働きを活発化します。
【は】唾液が沢山出ますので、口腔内をきれいにします。
【が】唾液に含まれる酵素には、発ガン物質の発ガン作用を消す働きがあります。
【い】食材を細かくすることで、胃の負担を軽減し、消化酵素の働きが増します。
【ぜ】「ここ一番」の時に歯を噛みしめることで力が湧きます。

 

■ひとくち30回を目標に!

 しっかり噛んで、ゆっくり食べることは、成人の生活習慣病予防や子供の食育に大切です。
 「一口30回咀嚼」と、よく噛んで食べるようにと言われていますが、食事のたびに噛む回数を意識しながら食べるのは、なかなか難しいことです。「味わっている感じがしない」など食事を楽しめなくなったり、そばや豆腐のような柔らかい食物を30回も噛むと咀嚼の醍醐味の一つである「のどごし」という食感が失われるなど、食事の楽しみが半減してしまいます。しかし、食事で一番大切なことは「味わって楽しむ」ことです。その前提があった上で「よく噛む」ことも必要になるのです。

かむ回数
 上は噛む回数が血糖値に及ぼす影響をグラフにしたものです。ひとくちで30回噛んだ場合は20分後に最高血糖値となり下降を始めますが、ひとくちで7~8回噛んだ場合は、60分経っても血糖値は上昇し続ける結果となりました。噛む習慣で食後高血糖を予防することが可能となります。
 では、しっかり噛んでゆっくり食べるにはどうしたらいいでしょうか。以下の3つがポイントとなります。
① ひとくち食べたら箸を置く習慣を…
  必然的によく噛むようになり、早食いを防ぐことができます。
② ひとくち30回の咀嚼を目指すために…
  「1、2、3、4、…」と数えながら食べるのは味気ないものです。「ありがとうございます」と頭の中で3回唱えながら食べてみては如何でしょうか。10文字×3回で30回の咀嚼を目指すことができます。
③ ひとくちの量を少なくする  
  下図は、白飯60g(茶碗1/2杯)を一口量を自由摂取(自由)にした場合と、一口量を少なくするように指示した場合(指示)の咀嚼回数と咀嚼時間です。 同じ量の白飯を食べているのですが、咀嚼時間、咀嚼回数ともに「一口量を少なくするよう指示した場合」の方が多くなっていることが分かります。

一口

 

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2022.03.16更新

 

今回は、浜松医科大学特命教授・緒方勤氏らが行った、マウスを用いた子宮内低栄養が児に及ぼす影響についての実験をご紹介します。

 

▮妊娠中の母マウスの栄養を半減

これまでは、「胎児発育不全症例の男児は高率に尿道下裂(尿道の形成異常)などの外性器異常を有し、将来的な不妊症リスクが高まる」こと、「胎児期の低栄養環境が成人期の糖尿病、高血圧、メタボリックシンドロームなどに関連する」こと(DOHaD仮説)が報告されていました。

しかし、胎児発育不全から精巣機能障害に至る機序や、精巣機能障害がDOHaDに含まれるか否かは不明でした。

緒方氏らは、妊娠中の母マウスに対して、妊娠6.5日目から栄養摂取量を50%に制限する実験を実施し、栄養制限を受けた母マウスの仔(R-マウス)と通常食で飼育された母マウスの仔(C-マウス)を比較して子宮内低栄養におかれた雄の仔マウスへの影響を検討しました。

 

▮精巣内テストステロン濃度、精子数が有意に低下?

妊娠末期である在胎17.5日の仔マウスを比較したところ、C-マウスに比べR-マウスではステロイドホルモン産生酵素遺伝子の発現量が有意に低下し、関連する精巣内テストステロン濃度も有意に低下していました。

生後6週の仔マウスの比較では、生殖細胞のアポトーシス亢進により、C-マウスに比べR-マウスでは精巣上体内の精子数が有意に減少していました。

これらを踏まえ、緒方氏らは「胎児発育不全から精巣機能障害や男性不妊症に至る機序が明らかになった。また。精巣機能障害がDOHaD仮説に含まれることが示された」と結論し、「日本女性は痩せ願望が強く、子宮内低栄養の頻度が高い。環境因子に起因した児の精巣機能障害を予防するには、妊婦に向けた栄養状態の改善に関する啓発の推進が重要だ」との意向を示しました。

 

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上記にもあるように、日本女性は痩せ願望が高いことで、「妊娠・出産で体型を崩したくない」「産後早く元の体型に戻したい」という気持ちから、妊娠中の栄養摂取を過度に調整してしまう方が多くいます。

もちろん、妊娠中の過度な体重増加も、児の将来的な生活習慣病リスクを高めることもあれば、胎児の過成長や膣周囲の脂肪の蓄積により難産のリスクも高めます。

しかし、妊娠中の少ない体重増加(胎児期の低栄養環境)も、胎児の発育に影響を及ぼすだけでなく、冒頭にあるように成人後の糖尿病や高血圧のリスクを高めると言われており、昨年からは「妊娠中の体重増加の目安」も緩和されました。

※妊娠前の体格がふつう(BMI18.5~25未満)で、以前は7~12Kg増加目安だったものが、2021年3月より10~13Kg増加目安に改訂(日本産婦人科学会)

 

今回の研究では、胎児期の低栄養環境が将来的に男性不妊のリスクになることが分かりました。

近年社会問題ともなっている不妊は、女性だけの問題ではなく、男性にも原因の半分があると言われています。

今後新しい世代が不妊問題や生活習慣病リスクから少しでも離れられるよう、親世代から満ちた身体づくりを心掛けていきたいですね。

 

マタニティ

 

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