冷え性にご用心
2024.06.10更新
手足が冷たいなど冷え性で悩んでいる人は、女性では66.6%、男性では43.2%の調査結果が発表されています。冷え性を放置しておくと、免疫力が落ちて風邪やウイルスに感染しやすくなるだけでなく、体温維持機能が低下するために体温が下がり、なかなか元に戻りにくくなってしまいます。冷え性の改善には、食事の仕方や衣類、運動、入浴の仕方など、日常において様々な方法がありますので、できるところから実践しましょう。
■衣類
麻、ウール、シルク、綿のような天然素材は、吸収性や保湿性が高いのでお勧めです。あまり締め付けの強い洋服を身に着けると、圧迫されるために血行が悪くなり、かえって冷えを引き起こしてしまうので、ゆとりがある服装を選ぶようにしましょう。また身体の血液は重力の影響で約70%が下半身に集中しています。足が冷えると血流が悪くなり全身に巡る血液の量も少なくなるので、足元から温めましょう。
■運動
寒い所では、交感神経の働きによって毛細血管が収縮し、体の表面の温度が低くなります。散歩やラジオ体操などで身体を動かすことで、筋肉で熱が作られ、血液の巡りが良くなって身体が温められます。冷えを感じたら、手足の力を抜いて、手首・足首をブラブラさせるだけでも血行促進効果が得られます。
■入浴
お風呂は身体の汚れを落とすためだけではありません。「湯治」という言葉がある通り、湯に浸かることで体の機能の回復が促進される効果があります。38~40度の湯船にじっくり浸かると、体を休める副交感神経が優位となり、毛細血管が広がって血行が促進されます。入浴効果を高めるためには、塩や日本酒をコップ1杯程度入れたり、よもぎやはっか、ゆずなどの薬草を入れる方法があります。
■食事
冷え性を改善させるために、体を温める食べ物を摂り入れるようにしましょう。身体を冷やす食べ物は、焼いたり蒸したりするなど加熱する、果物なら干す、また、体を温める食べ物と一緒に摂ることで、体を冷やす性質が弱まります。冷えを感じる時は、食べ物も飲み物も温かい物を選びましょう。
■温熱性の食材(陽性食品)と寒涼性の食材(陰性食品)
食材には体を温める「温熱性の食材(陽性食品)」と、体を冷やす「寒涼性の食材(陰性食品)」があります。「平性の食材」はどちらでもない中間の食材のことを言います。体が冷えやすい方は、寒涼性の食材は加熱したり、温熱性の食材と一緒に摂るなどして体を温める工夫をしましょう。例えば、大根は体を冷やす陰性の食品ですが、煮物や鍋物の具として温めて食べれば「冷やさないもの」になり、温める食材の生姜やねぎを加えて調理すれば「体を温める料理」になります。また体を冷やす夏野菜であっても、加熱したり薬味を足すことで体を温める料理になります。
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NPO法人 予防医学・代替医療振興協会
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