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2019.01.30更新

本日は腸内環境に着目した健康管理について、栄養療法によるアプローチを一部ご紹介します。

 

腸内環境の乱れにより、栄養素の消化吸収障害が生じたり、免疫系、神経系機能の障害、神経伝達物質や必須栄養素の生産障害等、様々な不具合を呈しやすくなります。

腸内環境の乱れは、主に腸内細菌叢の乱れや腸管運動の不調により生じますが、これらにアプローチする必要があります。

 

栄養療法による基礎的なアプローチとしては食事療法を行います。

例として以下のようなことが挙げられます。

 

動物性食品(特に牛肉、豚肉等)や菓子類の摂取量を見直す(過剰摂取は悪玉菌の増加に繋がるため)

小麦製品(パン、麺類等)を控える(特にグルテン不耐症の人)

乳製品(牛乳、生クリーム等)を控える(特にカゼイン不耐症、乳糖不耐症の人)

食品添加物が多く使用される食品の摂取、アルコール飲料の多飲は控える(腸管バリアが損傷してしまうため)

不溶性食物繊維(野菜、豆類、きのこ類等)や水溶性食物繊維(海藻類、里芋、こんにゃく等)の摂取を意識する

発酵食品(納豆、ぬか漬け、味噌汁等)を積極的に利用する

水分の摂取量を見直す(1日1~1.5L目安)

※ 他、運動習慣のない場合は、身体活動量を増やすようにする

 

これらを見直し改善させることによって、腸内細菌叢が整いやすく、腸管運動も適正に行われやすくなりますので、便秘や下痢、膨満感等の症状改善に繋がります。

しかし、人によって不調の要因や体質が異なりますので、可能であればPRA毛髪検診等で全身の状態を確認の上、行うことが推奨されます。

※ストレスや神経系の影響が強く、腸管機能が低下している場合もあります。

 

そして、上記のようなアプローチをしてもなかなか改善しない場合、または上記と合わせて効率的に取り組みたい場合や、予防的アプローチを積極的に行いたい場合は、以前にも挙げましたがこのようなサプリメントの利用が推奨されます。

 

バイオジェニックス:乳酸菌生産物質(腸管に直接働くと共に、自身の持っている善玉菌が増えやすい環境に整える)

プロバイオティクス:乳酸菌、ビフィズス菌等(腸管細菌叢を改善し、健康に有益な作用を与える微生物)

プレバイオティクス:食物繊維、オリゴ糖等(プロバイオティクスを増殖させ、腸内環境を改善するもの)

 

 

是非「腸のケア」を見直し、丈夫な心と身体をつくっていきましょう!

 

 

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NPO法人 予防医学・代替医療振興協会

本部事務局

公式WEBサイト https://www.pamedicine.jp/

 

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.01.24更新

近年では腸内フローラ(腸内細菌叢)と、精神疾患や発達障害との関係も注目されるようになってきました。

実際に、精神疾患や発達障害の診断を受けている人は便秘・下痢・胃痛・腹部膨満感等、様々な消化器症状を呈していることが多く、栄養療法等で腸内環境を改善させることで症状が落ちつくケースも多いと言われています。

 

【神経伝達物質と腸内フローラ】

精神症状に関る神経伝達物質で、腸内環境が深く関与するものに「セロトニン」「GABA」があります。

セロトニンは「幸福ホルモン」とも呼ばれ、脳の覚醒・感情の制御・抑うつ効果等の働きが知られていますが、生体内のセロトニンは約90%が腸管に存在すると言われています。

GABAは「リラックスホルモン」と呼ばれ、 神経の興奮を沈めたり、脳機能を改善する効果等が知られていますが、腸内環境が不安定でGABAを産生する腸内細菌が少ない子供は、行動異常、自閉症等になりやすいとされています。

つまり、腸内環境が不安定で、これらの産生が低下している状態になると、不安感やイライラ等の精神症状や、脳機能低下が生じやすくなってしまうのです。

 

【腸内細菌と脳の健康】

通常マウスと無菌マウスを比較した研究では、前者に対し、後者の場合は拘束ストレス負荷による副腎皮質刺激ホルモンとコルチコステロンの上昇反応が有意に亢進し、さらに、脳内神経成長因子や脳内神経伝達物質濃度を比較したところ、無菌マウスでは、海馬と前頭葉での脳由来神経栄養因子、セロトニン、ノルアドレナリン濃度が通常マウスと比べ有意に低下したとされています。

これらの結果は、腸内細菌の相違により成長後のストレス反応が異なること、腸内細菌が脳内の神経成長因子や神経伝達物質の濃度に影響を及ぼすことを示しました。

 

【出産方式と精神症状】 

出産方式の影響についての研究では、帝王切開で生まれたマウスは経膣的に生まれたマウスとは異なる細菌叢をもち、不安度が顕著に高く、うつ病の症状を示すことが報告されています。

つまり、子は母体から受けた細菌によって腸内フローラ等の細菌叢を形成し、それによって脳腸相関のネットワークを発達させていることが分かります。

 

 【母体の腸内フローラの影響】

ビフィズス菌についての研究では、妊婦の一定の条件を満たす腸内細菌叢が、生まれてくる子供の腸内に垂直伝播する可能性が示唆されました。

これにより、新生児の腸内細菌叢の健全化のためには、妊婦の腸内細菌叢が安定した状態である必要があり、妊婦の段階で腸内細菌叢を安定化できれば、新生児の発達障害それ自体に対する予防効果までは期待できなくても、発達障害の精神・行動上の問題や消化器症状の軽減には資する可能性がある、とされています。

特に自閉症に関しては、生まれて早期の段階での腸内フローラの定着が脳に最も大きな影響を与えているとも言われています。

 

 参考文献:腸内細菌と脳腸相関(九州大学学術情報リポジトリ 須藤信行)/脳腸相関―各種メディエーター、腸内フローラから食品の機能性まで(医歯薬出版株式会社)


細菌叢は目に見えなくとも、私たちの心身の健康に大きく影響していることが分かりますね!

 

また、腸内フローラは精神状態や脳の発達に影響しますが、反対にストレスを受けることによっても腸内フローラに変化が生じることが知られています。

つまり・・・

 

腸内フローラ → 脳・ストレス

  ↑        ↓

脳・ストレス ← 腸内フローラ

 

という感じで、脳機能やストレス反応と腸内フローラは深い相関関係を成しているのですね。

 

健康な方の疾病予防としての対策はもちろんですが、ストレスを感じやすい方、気持ちが不安定になりやすい方は、今一度腸内環境に着目してみてはいかがでしょうか。

 

 

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NPO法人 予防医学・代替医療振興協会

本部事務局

公式WEBサイト https://www.pamedicine.jp/

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.01.15更新

 P&A会員の皆様、こんにちは。

新春を迎えましたが、厳しい寒さが続いていますね。

本年も宜しくお願いいたします。

 

さて、近年「脳腸相関」という言葉をよく耳にすると思いますが、今では多くの試験で腸内フローラ(腸内細菌叢)と脳機能の関係性が明らかになってきました。

実際にP&Aの会員様のお話を伺うと、腸内環境の対策をしたことで不調が改善した、といったお声もお聞きすることが増えました。

 

腸内環境の対策といえば、プロバイオティクス、プレバイオティクスに加え、最近ではバイオジェニックスの有効性が注目されるようになりました。

バイオジェニックスとは、

直接生体に作用し(あるいは腸内フローラを介して)、免疫賦活、コレステロール低下作用、血圧降下作用、整腸作用、抗腫瘍効果、抗血栓、造血作用などの生体調節、生体防御、疾病予防・回復、老化制御などに働く食品成分

とされていて、代表的なものが乳酸菌生産物質です。

 

乳酸菌生産物質とは、乳酸菌の代謝産物の総称で、有用成分が直接腸管に作用、吸収されるだけでなく、腸内フローラを整えて善玉菌が増えやすい環境をつくる働きがあります。

 

そのため、プロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌等)やプレバイオティクス(食物繊維、オリゴ糖等)と合わせて補完することで、より腸内環境改善に積極的なアプローチを行うことができるのです。

 

乳酸菌の場合、個人が元々持っている菌叢によって定着のしやすさ等の相性がありますが、乳酸菌生産物質の場合は元々持っている善玉菌を増やしてくれる働きがありますので、どのような方でも摂り入れやすいという特徴があります。

(まさに、「その人の長所を伸ばす」ですね!)

 

また、「菌叢」は腸管だけでなく、口腔内や皮膚にもありますので、腸内環境改善だけでなく、歯科・口腔外科や皮膚科の領域でも応用され始めています。

 

今月は話題の脳腸相関について、いくつかご紹介していこうと思いますので、宜しくお願い致します。

 

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NPO法人 予防医学・代替医療振興協会

本部事務局

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

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