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2021.10.07更新

 

妊娠前~妊娠初期における葉酸サプリメントの摂取が、胎児の神経管閉鎖障害の予防に有効であることは知られていますが、妊娠中期~後期にかけての摂取にベネフィットがもたらせるかの検証はこれまで十分に行われていませんでした。

BMC Med(2021; 19: 73)で、妊娠中を通した葉酸の摂取が出生児の認知能力および脳機能に及ぼす影響についての報告が掲載されました。

 

これによると、北アイルランド在住の妊婦を対象とし、

▮妊娠初期に加え、中期以降も葉酸サプリメントを摂取(37例)

▮妊娠初期に葉酸サプリメントを摂取し、中期以降はプラセボを摂取(31例)

この2群に分けて比較を行ったところ、 前者の中期以降も葉酸摂取を行った群の方が、

・児の出生時の血清葉酸値

・児の情報処理能力や言語反応

が有意に高いことが示されました。

 

つまり、これまで妊娠初期までに気を付けて摂取すればよいと思っていた葉酸ですが、妊娠中期以降も継続的に摂取することで、子どもの脳や神経機能にプラスに影響する可能性が高いということです。

 

今や予防医学はお母さん世代から意識する必要のあるものですが、親世代の心掛けで子どものQOLを高める意識づくりがより広まっていけば素敵ですね。

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2021.09.09更新

 

精神疾患や認知症の予防・対策として栄養療法が有効であることは知られていますが、今回は脳の健康維持に深く関わる「運動」についてお話します。

運動といえば糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病対策に不可欠というイメージが一般的かと思います。

しかし精神疾患や認知症も、ストレスに加え、食事や運動、休養を始めとした生活習慣の乱れによって誘発されたり、重症化するケースが多々あります。

つまり、これらの疾患も生活習慣病の一つと言え、対策として運動習慣は不可欠なのです。

 

1.筋力が低下すると、脳に必要な栄養素が運ばれにくくなる

脳をはじめ身体の組織は栄養素を材料としてつくられますが、栄養素を摂取すればそれがそのまま組織の材料となるわけではありません。

摂取した栄養素は消化器官で消化吸収され、血液によって脳や必要としている組織まで運ばれます。

運動不足で筋力が低下していると、消化管の機能が低下したり血行不良を生じますので、必要な栄養素が十分に吸収・循環ができない状態となり、脳脳機能の低下を招く要因ともなります。

 

2.代謝機能の向上は、ホルモン生成や神経細胞間の情報伝達を正常化させる

継続的な運動により筋肉量を維持すること、そして血液や栄養素の循環を維持することで、各組織の代謝機能は正常に働くようになります。

そうすると、神経伝達物質やホルモンが適正につくられ、神経細胞間の情報伝達がスムーズに行われるようになります。

脳の神経細胞機能が正常に働くと、情緒や認知機能の維持に役立ちます。

 

3.血糖コントロール能が改善することで、認知症リスクや低血糖症リスクが軽減

血糖コントロール不良は、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症を誘発すると言われています。

その為、糖尿病患者は認知症リスクが高いと言われていますが、注意すべきは糖尿病のように血糖値が持続的に高い状態だけではありません。

倦怠感や不定愁訴、そして精神疾患の要因となることで知られている「機能性低血糖症」も血糖コントロール不良による悪影響が生じている状態であり、診断を受けていない健康な方の中にも未病状態にある方は多くいることが推測されています。

そして、習慣的な運動は、これらの血糖コントロール不良を改善することが分かっています。

 

4.習慣的な運動は神経細胞の新生を促す

脳は神経細胞が密集した器官です。

以前は成人期の神経細胞の新生は難しいと言われていましたが、近年は神経細胞の新生は可能であること、そして特に運動による刺激が神経細胞の発生を誘導すると言われるようになりました。

認知症や精神疾患は、脳神経細胞の減少によって進行することが知られていますが、運動を習慣的に行うことでこのリスクを低減することもできるのです。

 

その他にも、自身に適した運動を習慣的に行うことは、ストレスを解消すると共に日常生活に充実感を生むことができます。

そういった点でも運動習慣は精神衛生を向上し、抑うつ状態を予防すること、そして抑うつ状態から誘発される認知機能の低下等を予防することができるのです。

 

メンタルヘルス

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2021.08.25更新

 

仕事中、勉強中、家事の合間に、コーヒーでほっと一息をつく方は多いのではないでしょうか。

以前コーヒーは、カフェインによる健康へのネガティブな影響が問題視されていましたが、近年ではクロロゲン酸などのポリフェノールの働きによる有益な効果が知られるようになりました。

 

どのような食品でも、個人差はあれど適正量がありますが、コーヒーも飲めば良いというわけではありませんし、適正量を越えた摂取は注意した方が良いでしょう。

 

▮コーヒーの摂取量

適量のコーヒー摂取が、糖尿病を予防する・肺炎を予防する・体脂肪を減少させる・認知症を予防する等、様々な研究発表がありますが、適量は2~4杯程度が示されています。

半面、カフェインには交感神経系を亢進させる作用があるため、自律神経系に不調のある場合、高血圧や動悸、血管疾患のある場合は1~2杯に留めるなど慎重になった方が良いでしょう。

 また、Nutritional Neuroscience誌2021年6月24日号では、コーヒー摂取量と脳容積に関する研究内容が掲載されました。

これによると、1日6杯以上とコーヒーの消費量が多いと、脳容積の低下が認められ、認知症リスクが高まることが示唆されています。

 

▮妊娠中のカフェイン摂取

近年、200mg(コーヒーおよそ2杯)程度のカフェイン摂取は、流産や早産に影響しないと言われるようになりました。

しかし、妊娠期のカフェイン摂取が、胎児の発達に及ぼす影響はまだはっきりと分かっていません。

適度なコーヒー摂取はストレスを緩和する作用などもありますが、「ストレスによるマイナス作用」「コーヒーによるプラス作用」を踏まえ考えながら、基本は「控える」けど、場合によっては上手く「利用する」摂り方が理想です。

 

これらを踏まえ、

・健康な人は1日2~3杯程度の摂取とし、就寝前6時間は控える

・自律神経系や血管機能に関わる疾患をもつ場合、または妊娠中などの場合は、カフェインレスコーヒーを利用するか、1日1~2杯に留める

このような摂取が理想と考えられます。

 

睡眠不足や疲労をカフェイン摂取で改善させようとする場合もあるかと思いますは、これはあくまでも対症療法的なものです。

カフェインで乗り切ることを続け、必要な休養を無視していると脳機能や免疫力の低下を招きます。

生活リズムや日常のタスク(無理がないか)を見直すなどして根本問題を改善する必要があるでしょう。

 

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2021.07.27更新

 

DHAやEPAをはじめとしたオメガ3系脂肪酸の健康に対するあらゆる有効性は、今や幅広い層の方が認知し、健康維持のために摂取を意識している方も多いかと思います。

 

BMJ誌2021年7月1日号では、オメガ3系及びオメガ6系脂質の摂取量と偏頭痛軽減について、以下のような研究が報告されました。

 

◇――――――――――――――――

 

この研究は米国立老化研究所(NIA)のChristopher E. Ramsden氏らによるもので、毎月5~20日間、片頭痛が発現し、前兆の有無を問わず国際頭痛分類の偏頭痛の基準を満たす成人患者を対象とし、行われました。

被験者182名(平均年齢38歳、女性88%)は、オメガ3系脂肪酸であるEPA+DHAと、オメガ6系脂肪酸であるリノール酸の含有量に基づく2種の食事介入群、および対照群の3群に無作為に割り付けられました。

 

【介入群1/H3食】61例

EPA+DHAの量を1.5g/日に増量し、リノール酸をエネルギーの7.2%(米国の平均的な量)に保持した食事

【介入群2/H3-L6食】61例

EPA+DHAの量を1.5g/日に増量し、リノール酸をエネルギーの1.8%以下に減量した食事

【対照群】60例

EPA+DHAの量を150mg/日未満(米国の平均的な量)、リノール酸をエネルギーの7.2%に保持した食事

 

※主要エンドポイントは、16週の時点における血中の抗侵害受容性メディエータである17-ヒドロキシドコサヘキサエン酸(17-HDHA)および、頭痛が生活の質(QOL)に及ぼす影響を頭痛インパクトテスト(HIT)で評価し、頭痛の頻度は電子日誌で毎日確認。

 

この試験により、両介入群は対照群と比べて、疼痛軽減に関与する17-HDHAのレベルが優位に上昇していた。

HITのスコアについては両介入群で改善が認められたものの、統計的な有意差は認められなかった。

 

1日の総頭痛発現時間はいずれも、両介入群とも対照群と比べ短縮し、「1日当たりの頭痛持続時間」はH3食群で1.3時間、H3-L6食群で1.7時間減少、「1か月当たりに1時間以上の頭痛が生じた日数」もH3食群で2日、H3-L6食群で4日減少し、食事中のリノール酸の量を少なくすれば、頭痛に関して更なる利益が得られることが示唆された。

 

参考:CareNet.com「高n-3系+低n-6系脂肪酸食、片頭痛の頻度と痛みを軽減/BMJ」(https://www.carenet.com/news/journal/carenet/52644?utm_source=m15&utm_medium=email&utm_campaign=2021071502)

◇――――――――――――――――

 

オメガ3とオメガ6の脂肪酸の摂取バランスは、1:4が理想的であると言われていますが、魚介類の摂取機会の少ない現代の日本人はこのバランスが1:10~20(またはそれ以上)までに崩れていると言われています。

本来は、オメガ6も必須脂肪酸ではありますが、必要以上に摂り過ぎていることで、アレルギーをはじめとした免疫異常や炎症反応を招きやすくなることが危惧されています。

参考までに、以下はオメガ3系及びオメガ6系の脂肪酸が多い食品です。

 

▮オメガ3系脂肪酸が多い食品

・ サバ、サンマ、サーモン、イワシ、その他魚介類(特に青魚)

・エゴマ油、アマニ油、しそ油

▮オメガ6系脂肪酸が多い食品

 ・牛肉、豚肉、鶏肉、加工肉等の肉類

・大豆油、コーン油、ごま油

・スナック菓子、惣菜パン、菓子パン等

 

肉類は、タンパク源として優秀な食品であり、ミネラルやビタミンB群等の補給源ともなりますが、「頭痛や疼痛がある」「血中脂質が気になる」「アレルギー体質」等の方は、今一度、脂質の摂取バランスを見直してみると良いのではないでしょうか。

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2021.05.14更新

人はなぜ眠るのか?なぜ夢を見るのか?睡眠には未知なことが沢山あります。

しかし、「疲労回復」「成長促進」などだけでなく、睡眠はあらゆる面から健康に関っていることが分かってきています。

 

睡眠には、身体を休息させるのみではなく、脳の休息やメンテナンス作業、情報の整理をする役割があると考えられています。

例えば、脳では、老廃物の処理は血流だけではなく、脳脊髄液と呼ばれる細胞間隙を満たす液体の流れが行っていますが、その処理のほとんどはノンレム睡眠中に行われていると言われています。

マウスを使った研究では、眠りを断つことにより、アルツハイマー型認知症の原因であるアミロイドβタンパク質が、記憶を司る海馬に蓄積することも報告されています。

アミロイドβタンパク質は覚醒時に脳内で蓄積し、睡眠時に洗い流されて少なくなる、ということです。

 

さらに、睡眠不足がメタボリックシンドローム、心血管疾患や代謝異常のリスク増加に関連していることも指摘されています。

コロンビア大学の研究チームの発表(2004年)では、32歳から59歳までの1万8,000人を調査したところ、平均睡眠時間が6時間の人は、望ましい睡眠時間とされている7時間の人に比べて23%も肥満になる確率が高く、睡眠時間が5時間の人は50%、睡眠時間が4時間以下の人は73%も肥満になる確率が高くなるといいます。

体重や食欲は、身体の恒常性を制御するメカニズムの影響を受けていますが、睡眠はこれらの機能の管理にも重要な役割をはたしていることが分かります。

また、健康な人でも睡眠が不足すると血糖値のコントロールが乱れるという報告もあります。

 

睡眠を休息ととらえてしまうと、つい睡眠時間を削ってしまったり、無理をしてしまいがちですが、長い目で見た場合には「脳機能」や「生活習慣病リスク」に関わる大切なものであることが分かります。

 

参考文献:睡眠の科学―なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか―改訂新版(著者 櫻井武)

 

 

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2020.10.23更新

 

気温が下がり乾燥が気になる季節になりました。

手洗いうがい、マスク着用に加え、室内の乾燥対策もしっかりと行いたいところです。

 

 

▮空気が乾燥すると何が起こるのか?

 

気温の低下や暖房の使用等により、これからの時期は乾燥が気になります。

乾燥に注意が必要な理由として次のことが挙げられます。

 

1.風邪を引きやすくなる

ウイルスの侵入を防ぐ第一の砦である、鼻や喉の粘膜。

これらの機能は乾燥によって低下します。

 

2.ウイルスが活発化する

ウイルスは寒冷に強いものが多く、乾燥によって飛散しやすくなります。

 

3.皮膚のバリア機能低下

乾燥によって皮膚のバリア機能が低下し、外的刺激に弱くなってしまいます。

かゆみなどを引き起こし、肌トラブルの原因にもなります。

 

 

▮体内の乾燥にも要注意

 

冬は夏場のような汗をかくことはありませんが、体内の水分は皮膚や粘膜、呼吸などから蒸発しています。

気温が低くなると喉の渇きを感じにくくなるため、知らず知らずのうちに脱水状態になっているケースもあります。

 

1日に失う水分量

 

室内の急激な寒暖差によって血圧が低下し、心臓や血管の疾患が起こることをヒートショックといいます。

 脱水により血液がドロドロになっていることでも発症リスクが高まります。

冬場は意識して水分補給を行うようにしましょう。

 

 

▮今すぐできる乾燥対策

 

<マスクの着用>

他人への感染を防ぐためのマスクですが、喉の保湿にも効果的です。

清潔なものを身に付けましょう。

 

<加湿>

理想的な湿度は50~60%程と言われています。

加湿器や、お湯や水の入ったカップを置いたり、水が垂れない程度に絞ったタオルをかけるなどして、対策を行いましょう。

 

<湯温はぬるめに>

お湯の温度が40℃以上になると、体表面の保護成分として働く油分が一緒に流れやすくなります。

湯船やシャワー、家事の際の湯温はぬるめにしましょう。

 

<水分補給>

体内の水分量を維持することは、脱水や皮膚の乾燥、ヒートショックの予防としても有効です。

こまめな水分補給を心掛けましょう。

 

 

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2020.10.19更新

 

フレイルとは、「Frailty」(虚弱)が語源となる概念で、老化に伴い運動機能や認知機能等の身体機能が低下し、健康障害を起こしやすい状態のことを指します。

健常と要介護の中間的な状態で、普段の生活習慣によって要介護に移行することも、逆に健常に戻ることも可能な状態です。

フレイルには、身体的フレイル、精神・心理的フレイル、社会的フレイルがあり、身体的フレイルは、ロコモやサルコペニアの影響を大きく受けることが知られています。

 

▮ビタミンCと筋肉の密接な関係

ビタミンCの摂取量が多く、また血中濃度の高い人は、骨格筋量を高く維持していることが、栄イーストアングリア大学が中高年を対象に行った研究で明らかになりました。

 

▮新たなフレイル防止策?

調査チームは、42~82歳の男女13,000人あまりを対象に骨格筋量を計算し、ビタミンC摂取量を7日間の食事記録により分析したほか、血中ビタミンC濃度についても測定をしました。

調査の結果、食事及び血中にビタミンCが多かった人は少なかった人々に比べて、推定される骨格筋量が多いことが分かったそうです。

ビタミンCの摂取が加齢による筋肉減少(サルコペニア)の予防や、筋肉の健康維持につながる可能性が示唆されました。

 

▮サルコペニアやフレイルはQOL低下をもたらす

近年、日本においても、高齢者の筋肉量低下(サルコペニア)やフレイルは、健康寿命を短くする要因として問題視されています。

 

ビタミンCは強い抗酸化作用をもつビタミンであり、体内の老化要因となるフリーラジカルから細胞や組織を守る働きが広く知られています。

美容やアンチエイジング面で注目されがちですが、加齢による骨格筋量や筋力の低下が懸念される高齢者において、更に注目される栄養素だと言えるでしょう。

 

 

出典:「栄養学雑誌」
Lower Dietary and Circulating Vitamin C in Middle- and Older-Aged Men and Women Are Associated with Lower Estimated Skeletal Muscle Mass
Lucy N Lewis, Richard P G Hayhoe, Angela A Mulligan, Robert N Luben, Kay-Tee Khaw, Ailsa A Welch
The Journal of Nutrition, nxaa221, Published: 27 August 2020

 

 

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2020.07.20更新

 

世界的なコロナ渦の中で、「コロナ疲れ」「コロナうつ」といった言葉が使われるようになりました。

米ワシントンポスト紙の調査によると、新型コロナウイルス感染症流行拡大によるストレスレベルは、リーマン・ショック時よりも高くなっているとのことです。

 

6月18日、日本抗加齢医学会が主催したメディアセミナーに於いて、堀江重郎氏(順天堂大学大学院医学系研究科泌尿器外科学教授)が「Stay Homeのアンチエイジング」と題し、疲れがDNAレベルにもたらす影響やその対策法についてお話しました。

その内容を一部、ご紹介致します。

 

◇――――――――――――――――

 

セルフ・コンパッションによるストレス対策

 

一般的なアンチエイジング対策には、加齢に伴い増加する酸化ストレスをいかに抑制させるかが鍵となるが、心のアンチエイジングを保つための有用な方法として、同氏はセルフ・コンパッションを推奨。

セルフ・コンパッションとは、「あらゆる人の幸せを願う」「あらゆる人の苦しみがなくなることを願う」「あらゆる人の幸せを喜ぶ」「偏りのない平静で落ち着いた心」という、ダライ・ラマ14世の教えである。

これにより、他人のために何かをしようとする前に自分自身を労ろうという考え(自分への優しさ、共通の人間性の認識、マインドフルネス)を意識することで、幸福感や打たれ強さ、つながり感が増幅し、ストレス・うつ・不安になりにくい体質が形成されることが明らかになってきている。

 

セルフ・コンパッションの効用をまとめると、

1)幸福感を高める

2)ストレスを減少させる

3)レジリエンス(回復力、弾性)が高い

4)自己改善のモチベーションが高く自分らしい人生を送れる

などがある。

 

近年、セルフ・コンパッションの概念を持つ人はテロメアが長いことも報告されており、抗加齢医学の研究でも重要な役割を果たすとされている。

※テロメア:遺伝子の老化度を示す

 

◇―――――――――――――――― 

引用:CareNet.com(https://www.carenet.com/news/general/carenet/50401)

 

心理的ストレスは動脈硬化症や心疾患など生活習慣病だけではなく、テロメアの長さにも影響を及ぼすことが知られています。

 

セルフ・コンパッションとは、直訳すると「自分への慈しみ」「自分への思いやり」などを示しますが、自身の強みや弱みを認めることができ、「あるがままの自分」を肯定的に受け入れられる心理状態を意味します。

 

「心のあり方」が肯定的になることで、ストレス耐性を高め、心の問題はもちろん、老化や生活習慣病の予防に繋がるのです。

 

 

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2020.06.24更新

 

今回は、前回につづき「国際双極性障害学会」及び「光療法・生物リズム学会」による共同で発表された「新型コロナウイルス感染症の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ」の日本語訳版をご紹介します。

 

◇――――――――――――――――

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ

:先の見えない中であっても、日常の生活リズムには気をつけよう

 

【つづき】

 

空

 

日本語訳:宗未来(東京歯科大学)

 

たとえ新型コロナウイルス感染症の世界的大流行のように、生活が混乱している最中であっても、体内時計が正確に働くように努めることで、つらい気分をやわらげることができます。

ここでは、どんなに非日常な出来事であふれていたとしても、医学的根拠に基づいた規則的な日常生活を送るために役立つ、誰でもすぐはじめられる簡単なポイントをいくつかご紹介します。

 

 

◆日常生活を規則的に送るための自己管理術

 

・自宅待機や在宅勤務であっても、自分自身で毎日決まって行う日課を設定しましょう。そうすることで、あなたの体内時計は安定して働くようになります。

 

・毎日、同じ時刻に起きましょう。決まった時刻に起床することは、体内時計が安定して働くために最も大切です。

 

・毎日、一定時間を屋外で過ごすようにしましょう(訳注: 密閉・密集・密接の 3 密の状況を避け、一人でいられる場所で)。体内時計の時刻合わせには、朝の光が欠かせません。朝といっても、お昼近くよりは、午前中の早い時間帯
が望ましいでしょう。

 

・もし、あなたが外に出られないとしても、少なくとも 2 時間は窓際で過ごし、日の光を浴びながら、心の落ち着ける時間を持ちましょう。

 

・在宅での仕事や学習、友人との電話、料理など、毎日行ういくつかの活動はやる時間を決めましょう。そして、毎日、同じ時間に行いましょう。

 

・毎日、運動をしましょう。できれば、毎日、同じ時間帯で。

 

・毎日、同じ時間に食事をしましょう。食事の時間になっても、食べたくない時もあるかもしれませんが、それでも時間が来たら少量でも良いので何かを口にしましょう。

 

・人との交流は、たとえ社会的距離確保の期間中であっても大切です。リアルタイムに考えや気持ちを分かち合えるような人はいるでしょうか? テレビ電話か音声通話かはどちらでも結構ですので、可能そうな方とコミュニケーションの機会を持つようにしましょう。すぐに相手が思いつかなくとも、誰かいなかったかを思い出してみましょう。LINE のような文章だけの会話であっても、リアルタイムにメッセージが行き交うものであれば大丈夫です。そして、毎日、同じ時刻にそういった相手とコミュニケーションするスケジュールを持ちましょう。

 

・日中の昼寝(特に、午後遅くの昼寝は)は避けましょう。もし、どうしても昼寝が必要な方は最大でも 30 分以内に抑えましょう。昼寝は、夜の深い睡眠を妨げます。

 

・夜間に明るい光(特にブルーライト)を浴びるのは避けましょう。コンピューターやスマートフォンのディスプレイも含まれます。ブルーライトは、睡眠に不可欠なホルモンを減らしてしまうことがわかっているからです。

 

・自分自身に合った、起床と就寝の時間を決め、一貫してその睡眠リズムを保つようにしましょう。もし、あなたが夜型ならば、たとえ家族の人より少し遅く寝て、少し遅く起きることになったとしても大丈夫です。毎日、同じ時間に床
につき、同じ時間に起きることがポイントです。

 

◇――――――――――――――――

 

以上、2回にわたって「新型コロナウイルス感染症の大流行下における、こころの健康維持のコツ」をご紹介致しました。

(前回分をご覧でない方はこちら

 

まだしばらくは不安定な時期が続きそうですが、各位に於かれましてはどうかご自愛の上、お過ごし下さい。

 

 

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2020.06.23更新

 

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新型コロナウイルス感染症に罹患された方々および、感染拡大によりご不安な日々をお過ごしの皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。

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全国で緊急事態宣言が解除され、1ヵ月が経とうとしています。

今回の新型コロナウイルスによる世界的パンデミックの影響で、健康や身体づくりの大切さ、そして、ご自身の生き方等、考えさせられる機会も多かったのではないでしょうか。

 

最近では都心でも、外出をされる方が増えてきましたが、まだ人口が密集した場所には出向きにくいですし、この機に在宅ワークを導入する企業も多くなっています。

 

予防医学的見地で考えますと、感染予防としてはもちろん3密回避や予防エチケットは不可欠ですが、自宅で過ごす時間が増えたことで、身体を休めるきっかけになっている方もいれば、身体活動の低下や生活リズムの乱れによる不調が生じてしまっている方々もいらっしゃいます。

 

今回は、「国際双極性障害学会」及び「光療法・生物リズム学会」による共同で発表された「新型コロナウイルス感染症の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ」の日本語訳版をご紹介します。

 

◇――――――――――――――――

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ

:先の見えない中であっても、日常の生活リズムには気をつけよう

 

 生活リズム

 

日本語訳:宗未来(東京歯科大学)

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)は、世界中で深刻な健康上の脅威を引き起こしています。

そして、その対策として各国政府は、自宅待機や自主隔離、社会的距離の確保など様々な施策を打ち出しています。

それらの対策は、医学的には感染拡大を抑えるために不可欠ですが、こうした慣れない生活スタイルが新たにはじまることは、こころの健康を保つために必要な日常生活上のバランスを大きく崩してしまう危険性があります。

 

こころ穏やかに過ごすために役立っている、最も重要な脳のメカニズムのひとつが、“体内時計”と呼ばれるものです。

この体内時計の存在のおかげで、24 時間周期の朝・夜の繰り返しに合わせて、私たちの体調や行動は連動できています。

更に、計画的で安定したスケジュールや一定の日常生活リズムは、その体内時計の働きをスムー
ズにすることでも知られています。

 

体内時計がスムーズに働くと、私たちは心地よさを感じられるようにできています。

反対に、体内時計が乱れると、うつ病や糖尿病、肥満やがんなど多岐にわたる心身の状態が悪化することも研究で示されています。

 

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行のような生活を激変させる出来事に直面すると、私たちの体内時計は乱れやすくなるだけでなく、一度乱れたその体内時計を適切なリズムに戻すことも難しくなることがわかっています。

特に、仕事や子育て、人との関わりといった、一定のリズムで毎日決まって行ってきた社会的活動(日課)が失われると、体内時計が変調をきたし、正しく作動しなくなってしまいます。

結果として、不眠や食欲低下、元気がなくなったり、つらい気分に陥ったりといった、時差ぼけに似たような不快な心身の症状が生じてきます。

 

特に、うつ病や双極性障害のようなこころの病気を患っている方は、体内時計が健康な方よりも乱れやすいことが研究によってわかっています。

実際に、これまでの生活スタイルが変化せざるを得ない状況に陥ると、体内時計が正確な時を刻めなくなり、その体内時計の乱れがうつ状態(もしくは躁状態)の出現などの気分悪化につながりやすくなるのです。

反対に、毎日を規則正しく過ごすように気をつけることは、ストレス下であっても体内時計を正確に働かせ、気分を安定させるためにとても役立ちます。

【つづく】

 

◇――――――――――――――――

 

つづきは、次回「新型コロナウイルス感染症の大流行下における、こころの健康維持のコツ②」でご紹介致します。

 

 

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