コレステロールは、高過ぎず、低過ぎず
2019.03.26更新
生活習慣病を予防する上で「コレステロールを上げない食事」は基本としてよく挙げられています。
しかし、コレステロールが低過ぎても様々な問題が生じることは盲点となりがちです。
そもそも、コレステロールにはどのような役割があるのでしょうか?
【コレステロールの役割】
☑ 細胞膜の材料
⇒細胞膜には細胞内の恒常性を維持する役割があるため、細胞の機能=各器官の機能に影響!
☑ 性ホルモン、副腎皮質ホルモン等のステロイドホルモンの材料
⇒生殖機能、代謝機能、ストレス耐性に深く関与!
☑ 胆汁酸の材料
⇒食べ物に含まれる脂質の消化吸収に関わる!
☑ ビタミンDの材料
⇒免疫力や骨の健康に不可欠!
コレステロールは、細胞膜やホルモン等、私たちの身体に重要な役割をもつものの材料になります。
そのため、コレステロールが低過ぎる場合、うつや代謝不良、不妊症、脳出血等を生じやすくなるとも言われており、死亡率の上昇等も報告されています。
▼総コレステロール値と死因(J-LIT)
J-LIT(Japan Lipid Intervention Trial)大規模臨床介入試験。1992〜1999年日本全国約5万例の高コレステロール血症患者を対象に、一般診療の場で6年間調査。
参考:大櫛陽一著「コレステロールと中性脂肪で薬は飲むな」(マイベストプロ、hidamari)
▼LDL-Cレベルと原因別死亡率
参考:産業医学ジャーナル2011年5月号 論壇
特に、日本人の若い女性は、無理なダイエットによりコレステロールが減少しやすく、それによりPMSによる辛い症状や不妊症等を生じやすい傾向にあります。
総コレステロール、LDLコレステロールが高過ぎる場合や、LDLコレステロールとHDLコレステロールのバランスに偏りがある場合も、動脈硬化性疾患に繋がりますので注意が必要ですが、必要以上に脂質を制限してしまったり、生活習慣を見直さずに服薬治療をしてしまうことで本来必要なコレステロールも減少してしまうことになります。
コレステロールは高過ぎず、低過ぎず・・・低い場合にもリスクがあることを認識しておくと良いでしょう。
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