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2024.08.10更新

 西洋医学の薬は、ほとんどが対症療法です。つまり病気を根本から治すのではなく、その時の痛みやつらさを感じなくするための「その場しのぎ」の作用です。例えば頭痛薬は、頭痛が起きている原因を改善しているのではなく、頭痛を感じる神経を麻痺させているのです。

 更に精神医療の現場では、非常に混乱した不合理な処方が行われています。もっとも代表的なものが「多剤投与」です。これは、例えば抗不安薬が2種類、睡眠薬が5種類などというように、同じ作用または同じ系列の薬剤を何種類も重ねて処方することを言います。悲しいことに、多剤投与を行っているのは、世界の中でも圧倒的に日本の精神科病院が多いのが実情でした。平成21年の厚生労働省「今後の精神保健医療福祉の在り方等に関する検討会」資料によれば、オーストラリア、アメリカ、イギリスなどでは「単剤投与(投薬は1種類だけ)」の比率が80%以上、中国、台湾でも70%以上で、多剤投与を行っているところは20~30%なのに対し、日本ではなんと80%近くが多剤投与を行っていました。また、ほとんどの国では3種類以上の薬を同時に使用するケースはゼロなのに、日本では3種類以上が50%にも達していました。この頃の日本の精神医療施設での処方薬剤種数は平均7~8種類にも及んでいたのですから、まさに日本は薬害天国だったと言えるでしょう。

 私たちの体は、毎日の食事で摂り入れた栄養と、水と空気でできているのです。そこに、何種類もの化学合成された薬剤が入ることでどうなるのか…当然弊害が起こります。ろれつが回らない、口がもつれる、目の焦点が合わない、体が鉛のように重くなり、ベッドから起き上がることもできない、めまい、吐き気、頭重感、喉の渇き、便秘、湿疹やじんましんなどの皮膚症状など…。薬害は更に内蔵機能や血行にも影響は及びます。精神科には、いつも体のあちこちの調子が悪く、内科や皮膚科、整形外科、婦人科など色々な病院を回って診察を受け、結果的にさらに沢山の薬を処方されている患者さんがたくさんいます。

 こうなると、もともとその人が持っていた疾患とは何だったのか?区別がつかないほどに薬害が体をむしばんでいくのです。

 日本では、2014年度の診療報酬改定において、抗精神病薬処方の剤数制限が行われ、4剤以上の処方で診療報酬が減算されることとなり、2016年度の診療報酬改定では、3剤以上に制限が強化され、精神病棟に入院中の患者が退院時に抗精神病薬の剤数、投与量(クロルプロマジン換算)を一定の割合で減薬・減量することで診療報酬が算定できる薬剤総合評価調整加算が新設されました。また、外来においても薬剤総合評価調整管理料が新設され、向精神薬の減薬・減量が推し進められていくことになりました。それでもまだ日本国内では、多剤投与で苦しんでいる患者さんは後を絶ちません。

お薬手帳

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

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