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2019.07.05更新

 

引き続き、ザ・フナイ(2019年6月号)「本物の探究者」特集で紹介された岡治道先生の記事をご紹介させて頂きます。

 

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■細胞膜栄養療法と背景

1.細胞膜栄養療法の立脚点

細胞膜栄養療法は「生命の原点であり生命活動の源は細胞膜である」そして「細胞は人工的で過度に純粋化された物質を嫌う」ということに着目し、栄養状態の改善には先んじて細胞膜の健全化を行い、できる限り自然界の存在様式に近い形で栄養素を補完し、薬剤や合成栄養素を排除することで、効率よく細胞の機能を改善することがグランドデザインです。

開発者の神津健一博士は、40年前にレシチンと出合い、創意工夫を重ね、新型の「K・リゾレシチン」を開発し、細胞膜栄養療法を確立しました。そして神津博士は細胞膜栄養療法に特化した専門医療機関である「医療法人社団一友会ナチュラルクリニック代々木」を設立し開院したのは2004年、日本で初めての栄養療法に特化したクリニックです。

私は2017年以来、代替医療としての栄養療法を担当しています。当初は心療内科的な疾患が過半数でしたが、栄養療法の社会的認知に伴って認知症の予防や、アンチエイジング、疲労感の回復、妊娠希望など様々なニーズに対してご相談を受けています。

私たちが栄養療法を行う基本であり一次的条件は、「細胞膜の正常化」です。それは生命の起源を、リンを含んだ油、即ちリン脂質であるレシチン(フォスファチジルコリン)によるリン脂質二重膜構造を持った球体と考えるからです。この細胞膜を介して栄養素や代謝産物、情報のやり取りがスムーズに行われることが生命活動の基本ですから、何よりも先に細胞膜の状態を改善しなければ次に進めません。

 

2.リン脂質(レシチン)の多彩な機能

レシチンには細胞膜の基本構成物である以外にも、さまざまなタンパク質や脂質、抗原情報、遺伝子情報等の内容物を、リン脂質二重膜のコンテナ(エクソソーム)に収納し相手先となる細胞に直接物質を送り届ける機能があります。また神経接合部(シナプス)における神経伝達物質の移送(エンドソーム)と、シナプス間隙への放出にもレシチンが利用されます。さらに神経伝達物質アセチルコリンの合成には、レシチンが原料となります。レシチンによるアセチルコリンの合成、エンドソームの形成、内容物の放出と再生というサイクルの活性が低下・障害されるとアルツハイマー病が引き起こされます。

この様にレシチンは単に細胞膜の構成成分としてではなく、物質の細胞間移動による情報伝達など多彩で重要な機能を担っていることが分かります。

 

3.細胞膜の修飾因子

リン脂質二重膜構造自体は油の膜で柔らかく、一定の形を保つことができません。そこにコレステロールやタンパク成分が追加されることで、形態的安定性と強度が得られます。この膜タンパクはチャンネルとして刺激の伝達や物質の移動に関与しています。また細胞膜内に練り込まれたビタミンEやプラズマローゲンなどは、代謝の過程で発生した活性酸素の一次的処理を担います。

また近年大きな注目を集めているのが「糖鎖」です。細胞内で作られる糖の連続した鎖状構造物で、細胞膜タンパク質や分泌タンパク質、リン脂質などは糖鎖と結合し、電子顕微鏡で見る細胞表面は糖鎖の毛玉のように覆われています。

糖鎖の機能としては、タンパク質の機能化・性質変換や情報提示(インデックス)機能、アンテナ機能などの働きがあります。糖鎖なしでは細胞膜やホルモン、酵素などの生体活性が得られず、生存できません。話題に上がる血液型やインフルエンザウイルスのH1N1型などは細胞膜上の糖鎖の提示する情報を表しています。

 

4.酸化とタンパク糖化反応による傷害

疾病や機能異常、老化のメカニズムとして活性酸素による酸化や、糖によるタンパク糖化反応が重大な影響を及ぼしていることが解明されてきました。ミトコンドリアのエネルギー産生に伴い発生する活性酸素はレシチンや脂肪酸、膜タンパク、糖鎖を酸化により変性させ機能を低下させます。同様に蛋白糖化反応によってタンパクの機能が棄損され、さらにAGEsはコラーゲンの変性や細胞内に炎症を起こし細胞死や臓器機能低下による老化や疾患を引き起こします。

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▶続きは、岡治道医師、掲載記事のご紹介⑤「細胞膜栄養療法の実際」

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

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