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2020.10.23更新

 

気温が下がり乾燥が気になる季節になりました。

手洗いうがい、マスク着用に加え、室内の乾燥対策もしっかりと行いたいところです。

 

 

▮空気が乾燥すると何が起こるのか?

 

気温の低下や暖房の使用等により、これからの時期は乾燥が気になります。

乾燥に注意が必要な理由として次のことが挙げられます。

 

1.風邪を引きやすくなる

ウイルスの侵入を防ぐ第一の砦である、鼻や喉の粘膜。

これらの機能は乾燥によって低下します。

 

2.ウイルスが活発化する

ウイルスは寒冷に強いものが多く、乾燥によって飛散しやすくなります。

 

3.皮膚のバリア機能低下

乾燥によって皮膚のバリア機能が低下し、外的刺激に弱くなってしまいます。

かゆみなどを引き起こし、肌トラブルの原因にもなります。

 

 

▮体内の乾燥にも要注意

 

冬は夏場のような汗をかくことはありませんが、体内の水分は皮膚や粘膜、呼吸などから蒸発しています。

気温が低くなると喉の渇きを感じにくくなるため、知らず知らずのうちに脱水状態になっているケースもあります。

 

1日に失う水分量

 

室内の急激な寒暖差によって血圧が低下し、心臓や血管の疾患が起こることをヒートショックといいます。

 脱水により血液がドロドロになっていることでも発症リスクが高まります。

冬場は意識して水分補給を行うようにしましょう。

 

 

▮今すぐできる乾燥対策

 

<マスクの着用>

他人への感染を防ぐためのマスクですが、喉の保湿にも効果的です。

清潔なものを身に付けましょう。

 

<加湿>

理想的な湿度は50~60%程と言われています。

加湿器や、お湯や水の入ったカップを置いたり、水が垂れない程度に絞ったタオルをかけるなどして、対策を行いましょう。

 

<湯温はぬるめに>

お湯の温度が40℃以上になると、体表面の保護成分として働く油分が一緒に流れやすくなります。

湯船やシャワー、家事の際の湯温はぬるめにしましょう。

 

<水分補給>

体内の水分量を維持することは、脱水や皮膚の乾燥、ヒートショックの予防としても有効です。

こまめな水分補給を心掛けましょう。

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2020.10.19更新

 

フレイルとは、「Frailty」(虚弱)が語源となる概念で、老化に伴い運動機能や認知機能等の身体機能が低下し、健康障害を起こしやすい状態のことを指します。

健常と要介護の中間的な状態で、普段の生活習慣によって要介護に移行することも、逆に健常に戻ることも可能な状態です。

フレイルには、身体的フレイル、精神・心理的フレイル、社会的フレイルがあり、身体的フレイルは、ロコモやサルコペニアの影響を大きく受けることが知られています。

 

▮ビタミンCと筋肉の密接な関係

ビタミンCの摂取量が多く、また血中濃度の高い人は、骨格筋量を高く維持していることが、栄イーストアングリア大学が中高年を対象に行った研究で明らかになりました。

 

▮新たなフレイル防止策?

調査チームは、42~82歳の男女13,000人あまりを対象に骨格筋量を計算し、ビタミンC摂取量を7日間の食事記録により分析したほか、血中ビタミンC濃度についても測定をしました。

調査の結果、食事及び血中にビタミンCが多かった人は少なかった人々に比べて、推定される骨格筋量が多いことが分かったそうです。

ビタミンCの摂取が加齢による筋肉減少(サルコペニア)の予防や、筋肉の健康維持につながる可能性が示唆されました。

 

▮サルコペニアやフレイルはQOL低下をもたらす

近年、日本においても、高齢者の筋肉量低下(サルコペニア)やフレイルは、健康寿命を短くする要因として問題視されています。

 

ビタミンCは強い抗酸化作用をもつビタミンであり、体内の老化要因となるフリーラジカルから細胞や組織を守る働きが広く知られています。

美容やアンチエイジング面で注目されがちですが、加齢による骨格筋量や筋力の低下が懸念される高齢者において、更に注目される栄養素だと言えるでしょう。

 

 

出典:「栄養学雑誌」
Lower Dietary and Circulating Vitamin C in Middle- and Older-Aged Men and Women Are Associated with Lower Estimated Skeletal Muscle Mass
Lucy N Lewis, Richard P G Hayhoe, Angela A Mulligan, Robert N Luben, Kay-Tee Khaw, Ailsa A Welch
The Journal of Nutrition, nxaa221, Published: 27 August 2020

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2020.07.20更新

 

世界的なコロナ渦の中で、「コロナ疲れ」「コロナうつ」といった言葉が使われるようになりました。

米ワシントンポスト紙の調査によると、新型コロナウイルス感染症流行拡大によるストレスレベルは、リーマン・ショック時よりも高くなっているとのことです。

 

6月18日、日本抗加齢医学会が主催したメディアセミナーに於いて、堀江重郎氏(順天堂大学大学院医学系研究科泌尿器外科学教授)が「Stay Homeのアンチエイジング」と題し、疲れがDNAレベルにもたらす影響やその対策法についてお話しました。

その内容を一部、ご紹介致します。

 

◇――――――――――――――――

 

セルフ・コンパッションによるストレス対策

 

一般的なアンチエイジング対策には、加齢に伴い増加する酸化ストレスをいかに抑制させるかが鍵となるが、心のアンチエイジングを保つための有用な方法として、同氏はセルフ・コンパッションを推奨。

セルフ・コンパッションとは、「あらゆる人の幸せを願う」「あらゆる人の苦しみがなくなることを願う」「あらゆる人の幸せを喜ぶ」「偏りのない平静で落ち着いた心」という、ダライ・ラマ14世の教えである。

これにより、他人のために何かをしようとする前に自分自身を労ろうという考え(自分への優しさ、共通の人間性の認識、マインドフルネス)を意識することで、幸福感や打たれ強さ、つながり感が増幅し、ストレス・うつ・不安になりにくい体質が形成されることが明らかになってきている。

 

セルフ・コンパッションの効用をまとめると、

1)幸福感を高める

2)ストレスを減少させる

3)レジリエンス(回復力、弾性)が高い

4)自己改善のモチベーションが高く自分らしい人生を送れる

などがある。

 

近年、セルフ・コンパッションの概念を持つ人はテロメアが長いことも報告されており、抗加齢医学の研究でも重要な役割を果たすとされている。

※テロメア:遺伝子の老化度を示す

 

◇―――――――――――――――― 

引用:CareNet.com(https://www.carenet.com/news/general/carenet/50401)

 

心理的ストレスは動脈硬化症や心疾患など生活習慣病だけではなく、テロメアの長さにも影響を及ぼすことが知られています。

 

セルフ・コンパッションとは、直訳すると「自分への慈しみ」「自分への思いやり」などを示しますが、自身の強みや弱みを認めることができ、「あるがままの自分」を肯定的に受け入れられる心理状態を意味します。

 

「心のあり方」が肯定的になることで、ストレス耐性を高め、心の問題はもちろん、老化や生活習慣病の予防に繋がるのです。

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2020.06.24更新

 

今回は、前回につづき「国際双極性障害学会」及び「光療法・生物リズム学会」による共同で発表された「新型コロナウイルス感染症の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ」の日本語訳版をご紹介します。

 

◇――――――――――――――――

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ

:先の見えない中であっても、日常の生活リズムには気をつけよう

 

【つづき】

 

空

 

日本語訳:宗未来(東京歯科大学)

 

たとえ新型コロナウイルス感染症の世界的大流行のように、生活が混乱している最中であっても、体内時計が正確に働くように努めることで、つらい気分をやわらげることができます。

ここでは、どんなに非日常な出来事であふれていたとしても、医学的根拠に基づいた規則的な日常生活を送るために役立つ、誰でもすぐはじめられる簡単なポイントをいくつかご紹介します。

 

 

◆日常生活を規則的に送るための自己管理術

 

・自宅待機や在宅勤務であっても、自分自身で毎日決まって行う日課を設定しましょう。そうすることで、あなたの体内時計は安定して働くようになります。

 

・毎日、同じ時刻に起きましょう。決まった時刻に起床することは、体内時計が安定して働くために最も大切です。

 

・毎日、一定時間を屋外で過ごすようにしましょう(訳注: 密閉・密集・密接の 3 密の状況を避け、一人でいられる場所で)。体内時計の時刻合わせには、朝の光が欠かせません。朝といっても、お昼近くよりは、午前中の早い時間帯
が望ましいでしょう。

 

・もし、あなたが外に出られないとしても、少なくとも 2 時間は窓際で過ごし、日の光を浴びながら、心の落ち着ける時間を持ちましょう。

 

・在宅での仕事や学習、友人との電話、料理など、毎日行ういくつかの活動はやる時間を決めましょう。そして、毎日、同じ時間に行いましょう。

 

・毎日、運動をしましょう。できれば、毎日、同じ時間帯で。

 

・毎日、同じ時間に食事をしましょう。食事の時間になっても、食べたくない時もあるかもしれませんが、それでも時間が来たら少量でも良いので何かを口にしましょう。

 

・人との交流は、たとえ社会的距離確保の期間中であっても大切です。リアルタイムに考えや気持ちを分かち合えるような人はいるでしょうか? テレビ電話か音声通話かはどちらでも結構ですので、可能そうな方とコミュニケーションの機会を持つようにしましょう。すぐに相手が思いつかなくとも、誰かいなかったかを思い出してみましょう。LINE のような文章だけの会話であっても、リアルタイムにメッセージが行き交うものであれば大丈夫です。そして、毎日、同じ時刻にそういった相手とコミュニケーションするスケジュールを持ちましょう。

 

・日中の昼寝(特に、午後遅くの昼寝は)は避けましょう。もし、どうしても昼寝が必要な方は最大でも 30 分以内に抑えましょう。昼寝は、夜の深い睡眠を妨げます。

 

・夜間に明るい光(特にブルーライト)を浴びるのは避けましょう。コンピューターやスマートフォンのディスプレイも含まれます。ブルーライトは、睡眠に不可欠なホルモンを減らしてしまうことがわかっているからです。

 

・自分自身に合った、起床と就寝の時間を決め、一貫してその睡眠リズムを保つようにしましょう。もし、あなたが夜型ならば、たとえ家族の人より少し遅く寝て、少し遅く起きることになったとしても大丈夫です。毎日、同じ時間に床
につき、同じ時間に起きることがポイントです。

 

◇――――――――――――――――

 

以上、2回にわたって「新型コロナウイルス感染症の大流行下における、こころの健康維持のコツ」をご紹介致しました。

(前回分をご覧でない方はこちら

 

まだしばらくは不安定な時期が続きそうですが、各位に於かれましてはどうかご自愛の上、お過ごし下さい。

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2020.06.23更新

 

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新型コロナウイルス感染症に罹患された方々および、感染拡大によりご不安な日々をお過ごしの皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。

+・・・+・・・+・・・+・・・+

 

全国で緊急事態宣言が解除され、1ヵ月が経とうとしています。

今回の新型コロナウイルスによる世界的パンデミックの影響で、健康や身体づくりの大切さ、そして、ご自身の生き方等、考えさせられる機会も多かったのではないでしょうか。

 

最近では都心でも、外出をされる方が増えてきましたが、まだ人口が密集した場所には出向きにくいですし、この機に在宅ワークを導入する企業も多くなっています。

 

予防医学的見地で考えますと、感染予防としてはもちろん3密回避や予防エチケットは不可欠ですが、自宅で過ごす時間が増えたことで、身体を休めるきっかけになっている方もいれば、身体活動の低下や生活リズムの乱れによる不調が生じてしまっている方々もいらっしゃいます。

 

今回は、「国際双極性障害学会」及び「光療法・生物リズム学会」による共同で発表された「新型コロナウイルス感染症の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ」の日本語訳版をご紹介します。

 

◇――――――――――――――――

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ

:先の見えない中であっても、日常の生活リズムには気をつけよう

 

 生活リズム

 

日本語訳:宗未来(東京歯科大学)

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)は、世界中で深刻な健康上の脅威を引き起こしています。

そして、その対策として各国政府は、自宅待機や自主隔離、社会的距離の確保など様々な施策を打ち出しています。

それらの対策は、医学的には感染拡大を抑えるために不可欠ですが、こうした慣れない生活スタイルが新たにはじまることは、こころの健康を保つために必要な日常生活上のバランスを大きく崩してしまう危険性があります。

 

こころ穏やかに過ごすために役立っている、最も重要な脳のメカニズムのひとつが、“体内時計”と呼ばれるものです。

この体内時計の存在のおかげで、24 時間周期の朝・夜の繰り返しに合わせて、私たちの体調や行動は連動できています。

更に、計画的で安定したスケジュールや一定の日常生活リズムは、その体内時計の働きをスムー
ズにすることでも知られています。

 

体内時計がスムーズに働くと、私たちは心地よさを感じられるようにできています。

反対に、体内時計が乱れると、うつ病や糖尿病、肥満やがんなど多岐にわたる心身の状態が悪化することも研究で示されています。

 

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行のような生活を激変させる出来事に直面すると、私たちの体内時計は乱れやすくなるだけでなく、一度乱れたその体内時計を適切なリズムに戻すことも難しくなることがわかっています。

特に、仕事や子育て、人との関わりといった、一定のリズムで毎日決まって行ってきた社会的活動(日課)が失われると、体内時計が変調をきたし、正しく作動しなくなってしまいます。

結果として、不眠や食欲低下、元気がなくなったり、つらい気分に陥ったりといった、時差ぼけに似たような不快な心身の症状が生じてきます。

 

特に、うつ病や双極性障害のようなこころの病気を患っている方は、体内時計が健康な方よりも乱れやすいことが研究によってわかっています。

実際に、これまでの生活スタイルが変化せざるを得ない状況に陥ると、体内時計が正確な時を刻めなくなり、その体内時計の乱れがうつ状態(もしくは躁状態)の出現などの気分悪化につながりやすくなるのです。

反対に、毎日を規則正しく過ごすように気をつけることは、ストレス下であっても体内時計を正確に働かせ、気分を安定させるためにとても役立ちます。

【つづく】

 

◇――――――――――――――――

 

つづきは、次回「新型コロナウイルス感染症の大流行下における、こころの健康維持のコツ②」でご紹介致します。

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2020.04.09更新

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響で不安定な時期が続いておりますが、皆様におかれましては体調等お変わりなくお過ごしでしょうか?

今週は緊急事態宣言が発令され、本部事務局のある東京都では外出自粛や3密回避、衛生面等に一層気を引き締め、人々の危機管理意識が高まっています。

 

当協会も感染拡大のリスクを抑制するため、時差出勤や在宅勤務を導入させて頂いております。

お問い合わせ対応やお手続きに通常よりお時間を頂き、ご迷惑をお掛けすることも多いかと思いますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

今回の影響で、外出機会が制限されている方が増えているかと思います。

仕事へ行けない方、休校等により自宅での生活をしばらく続けなくてはいけないお子さん、ご家族も多い状態です。

 

今現在は、ご自身、ご家族の安全はもちろん、できるだけ多くの国民の命を守るために、外出自粛や3密回避、手洗い・マスク・咳エチケット等の衛生対策を行っていくことが不可欠です。

 

しかし、自宅でテレビやインターネットだけの生活になってしまうと、運動不足やストレスにより免疫力が低下してしまう面がありますので、自宅での生活が多くなってしまった方は是非、以下のような対策を取り入れられているか確認してみて下さい。

 

1.朝、起床後は一杯の水を飲み、日光を浴びる

2.食事は1日3食、決まった時間に摂る

3.昼寝は20分までと決める

4.家事や階段の上り下りなどで身体を動かすよう心掛け、プラスで1日10分の運動(踏み台昇降、筋トレ、ストレッチ等)を行う

5.夜は日付が変わる前に就寝し、寝る1時間前にはテレビやスマートフォンの光を目に入れないようにする

6.笑いのある生活を

 

ポイントとしては自律神経の乱れを防ぐことと、血流・筋肉量を維持することです。

 

自律神経の乱れや血流の低下は免疫機能を低下させるとともに、脳の活動を低下させるので、感染リスクが上がったり、精神不安定や認知機能の低下を招く要因となります。

 

また水分摂取量が減ると血流が悪くなるので、1日1.5ℓ以上の水分摂取を心掛け、食事もバランスよく食べることで免疫機能を維持しましょう。(免疫細胞の材料も、脳・神経の材料も、ホルモンの材料も栄養です!)

 

「笑いのある生活」について、笑いはNK細胞の活性を高めたり、ストレスを軽減する効果がありますので、こんな時こそ、不安に陥り過ぎずに肩の力を抜き、笑いある時間を大切にしましょう。

 

何かと不安が多い時期ですが、皆様のご健康をお祈りするとともに、一日も早い収束を心より祈念申し上げます。

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2020.03.13更新

 

糖尿病などの生活習慣病では積極的な運動が勧められますが、実際に運動習慣でインスリン抵抗性が改善し、血糖値が安定しやすくなることが分かっています。

最近は新たに、新潟大学による研究で、通常だと糖尿病患者は介護が必要になるリスクが高いものの、運動を続けていれば糖尿病でない人と変わらない程度にリスクが低下する可能性が明らかになりました。

  

この研究では、三条市の特定健診と診療報酬請求および介護保険データを統合し、生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症)および生活習慣(運動習慣の有無、現喫煙)と、介護保険の利用状況との関連を検討する後方視的コホート研究を行い、運動習慣の有無は「中等度の運動を週に2回30分以上、1年間継続していること」が判定基準となりました。

 

2012~2015年に健診を受け、少なくとも2年間追跡可能だった39~98歳の1万1,469人のうち、心血管疾患の既往がなく要介護認定を受けていない9,673人(うち男性4,420人)を3.7年(中央値)追跡したところ、追跡期間中に165人が要介護認定を受けました。(うち要支援49人)

 

要介護状態の発生に関連する可能性のある既知の因子を統計的に調整した上でリスク因子を検討すると、加齢やBMI18.5未満とともに、糖尿病と運動習慣がないことが有意な因子として抽出されました。

 

続いて、前記3種類の生活習慣病と運動習慣の有無を加えた、計4つのリスク因子の保有数と要介護リスクを検討したところ、リスク因子を1つも保有していない人に比較し、2つ以上保有している場合のリスク上昇は統計的に有意とされました。

 

次に、対象全体を糖尿病の有無と運動習慣の有無で4群に分け、糖尿病がなく運動習慣がある人の要介護リスクを基準に、他の3群のリスクを比較したところ、運動習慣がない人では糖尿病がある場合に有意に高リスクであるのはもちろん、糖尿病がなくても有意なリスク上昇が認められたとのことです。

ところが、運動習慣がある人では糖尿病であっても有意なリスク上昇は認められませんでした。

 

一般に介護リスクとしては、認知症や脳血管疾患、骨折・転倒、関節疾患、衰弱などが要因として挙げられますが、運動習慣は筋力や骨密度の維持だけではなく、脳機能向上や循環器疾患の予防、そしてインスリン抵抗性の改善に有効とされていますので、糖尿病があったとしても、身体機能の維持に大きく貢献するのでしょう。

 

また、当研究における運動習慣の有無の基準として「中等度の運動を週に2回30分以上、1年間継続していること」とありますが、中等度の運動は一般に「息が少しはずむ」程度の運動とされています。

具体的にはウォーキングやジョギング、水泳、負荷が強過ぎない筋力トレーニングなどでしょうか。

 

身体をつくるのは栄養なので、食を疎かにするわけにはいきませんが、やむを得ない場合などもあると思います。

普段運動をする機会のない方も、週1回のウォーキング、または1日10分のウォーキングなど、取り入れやすいことからはじめ、徐々に習慣化していけると良いのではないでしょうか。

 

参考・引用:Care net「糖尿病でも運動していれば介護リスクは糖尿病でない人と同レベル―新潟大」

 

ウォーキング

 

 

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2020.03.12更新

 

昨年よりマイクロプラスチックの問題をよく耳にするようになりました。

プラスチックゴミによる環境汚染や自然動物への影響は長年、課題とされていましたが、マイクロプラスチックは自然へ流出しているプラスチックが目に見えないほど細かい粒子となり、食物連鎖で私たちの口の中に入ってくることが懸念されています。

 

実際、WWF(世界自然保護基金)が2019年6月に発表した研究によると、飲料水や魚介類などの食事経由から摂取するプラスチックは、1週間当たり重量換算で5グラムに相当するとされています。

1週間でプラスチック5グラムというと…

◇クレジットカード1枚

◇1日あたりストロー1本分(約0.7グラム)

 

マイクロプラスチックとは、環境中に存在する5ミリメートル未満のプラスチックと定義されていますが、実際にはマイクロメートル、ナノメートル単位の目で見えない大きさのものも多く存在しています。

海に流出するプラスチックゴミが年月をかけ漂流することでプラスチック片が細かくなり、それをプランクトンが溜め込み、プランクトンを小魚が食べ、小魚を大型の魚が食べ、大型の魚に濃縮されていくことなどが示されています。

 

これらのマイクロプラスチックは果たして体内に吸収されるのでしょうか?

欧州食品安全機関(EFSA)は、サイズによって吸収される度合が異なることを指摘しています。

150マイクロメートル未満では体内の消化管から吸収される可能性が出てきて、1.5マイクロメートル未満では体内の各組織に深く浸透する可能性が出てくるとされています。

 

飲料の場合、カナダの研究では水道水よりもペットボトルの水の方がプラスチックが多く検出され、ドイツの研究では更に再利用(リユース)のペットボトルからは新品ペットボトルの3倍以上のプラスチックが検出されたそうです。

 

また、食品についての評価では、検出データのある食品群だけのデータを使った分析なので、過小評価の可能性が大きいとされていて、肉類や穀物、野菜などはデータがないため、対象とされていません。

例えばEFSAの報告では、マイクロプラスチックを含んだ魚粉が鶏や豚の餌に使われている場合、肉に残っている可能性を指摘していますが、そうしたデータはまだ存在しません。

 

カナダの論文の筆頭著者であるキエラン・コックス博士は、論文の中で「マイクロプラスチックの暴露を減らす有効な方向はペットボトルの水を避けること。今後肉や野菜、穀類などの汚染データの研究も必須であるが、予防原則を適用とすれば、人間の暴露を減らすための最も有効な方法は、プラスチックの生産と利用を減らすことだ」と結論づけています。

 

人体への影響についてはまだ明確になっていませんが、本来、人体に入ってくるべきでない化合物が入れば、腸管免疫の低下や、神経障害など、様々な影響に繋がる可能性があります。

 

予防医学としてはもちろん、環境のため、私たちの子孫のためにも、プラスチック問題を今一度見直してみることは大切なのではありませんでしょうか。

 

参考・一部転載:WWFジャパン「海洋プラスチック問題について」/オルター通信No.1630/食の安全ウォッチNo.63

海洋汚染

 

 

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2020.03.10更新

 

3月3日、国際オーソモレキュラー医学会の報道関係者向け説明会にて、同会会長の柳澤先生がビタミンCなどの栄養素の投与による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の可能性について展望を示しました。

内容を一部、ご紹介します。

 

柳澤先生はCOVID-19について、新型ウイルスによるものなのでエビデンスこそないが「一般的な感染症では、感染しても無症状な人もいれば重症な人もいる。特に重症例は高齢者や基礎疾患のある人に遍在する。これは、個々の栄養状態、免疫力などの違いによる。通常のウイルス感染では、栄養バランスが保たれ、十分な睡眠と休養が取れており、そして免疫力が健常であれば感染は予防でき、仮に感染しても軽症となりやすい。COVID-19については治療経験がないが、これまでの研究を基に対応したい」と述べ、COVID-19の予防、重症化予防のためのサプリメント摂取について、過去の臨床試験結果を踏まえ、以下のように推奨しています。

 

■1日の推奨摂取量

ビタミンC 3,000mg/ビタミンD3 2,000IU/亜鉛 20㎎/セレン 100μg/マグネシウム 400㎎

 

■関連する臨床試験

・ビタミンCのウイルス性呼吸器感染に対する予防・症状軽減効果(J Manipulative Physiol Ther 1999; 22: 530-533)

・血清ビタミンD値による急性ウイルス性呼吸器感染症の罹患リスクの変化(PLOS One 2010; 14: 5: e11088)

・ビタミンC+亜鉛の感冒に対する効果(Chest 2017; 151: 1229-1238)

など 

 

中でも、ビタミンCはこれまでインフルエンザ、肺炎、ポリオなどほぼ全てのウイルスに有効であること、重症敗血症、敗血症性ショックにおける効果も臨床試験で明らかになっていることに触れ、同会ではCOVID-19患者には、基本的治療に加えて、医療機関におけるビタミンC点滴とサプリメント摂取を推奨するとしています。

 

また、中国では、武漢大学付属中南病院と西安交通大学付属病院で、高濃度ビタミンC点滴の併用による臨床試験を開始する旨を発表しています。

 

サプリメントや点滴などを用いた栄養療法はまだ実用が浅く、一般的な西洋医学に比較すると研究機関も少ないため、エビデンスが得られにくいところはありますが、近年では有効性が認められる範囲が広くなって参りました。

 

当協会も人の身体は栄養素によってできていることを念頭に置き、栄養療法や、生活習慣の中でも特に食習慣に重点を置いています。

上記で挙げられているビタミンC・D、亜鉛以外にも、免疫反応に働くものとして糖鎖やビタミンA、オメガ3、細胞・神経機能を正常化するものとしてレシチン、感染初期症状に有効とされるオリーブリーフ(オーレユーロペン)等も栄養療法による感冒対策には有効性の期待できる成分になります。

 

会員の皆様の於かれましても、マスクや手洗いうがい等は勿論のこと、体力、免疫力の増進に是非、生活習慣と栄養摂取の見直しを行って頂ければと思います。

 

参考:Medical Tribune/ビタミンで新型コロナ対策

 

 

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2020.02.26更新

 

「ストレスで白髪が増える」

よく耳にする話ですが、これまでこの根本的機構は解明されていませんでした。

 

1月22日、Natureオンライン版にて、米ハーバード大学幹細胞・再生医学准教授のYa-Chieh Hsu氏らがマウスを用いた実験でストレスがかかると白髪が減る機序を解明した旨を報告しました。

 

この研究は白髪についてですが、それだけでなくストレスによる様々な器官への影響を研究する基盤ともなるものです。

 

◇――――――――――

 

生物はストレスを感じると、「闘うか逃げるか」(闘争・逃走反応)のどちらかを選ぶよう自律神経が働き、ノルアドレナリンが産生されます。

今回の実験では、マウスを物理的、心理的ストレスにさらしたところ、この闘争・逃走反応の一部を担う交感神経系が活性化されて、放出されたノルアドレナリンの影響で、毛包にある色素をつくる色素幹細胞が永続的に枯渇してしまうことが判りました。

Hsu氏の説明によると、「マウスに物理的、心理的なストレスを与えてから数日後には、色素幹細胞は過剰に反応した後、全て枯渇してしまった。幹細胞が消失すると色素は再生できなくなる。しかもこのダメージは永続的なものだった。」とのことです。

 これは動物実験の結果ではありますが、闘争・逃走反応のネガティブな影響を強調しているとし、論文筆頭著者の同大学Bing Zhang氏は「特に闘争・逃走反応を刺激するような急性ストレスは従来、動物が生き延びるために役立つと考えられてきた。しかし今回、急激なストレスがかかると幹細胞を永遠に失ってしまうことが分かった。」と述べています。

また、今回の実験はストレスによって白髪が増える機序を研究したものになりますが、Hsu氏は「ストレスに対する自律神経反応が色素幹細胞に与える影響を明らかにすることで、他の組織や器官への影響についても解明していく基盤をつくることができた」と述べています。

 

◇――――――――――

 

ストレスを受けると、「免疫が下がる」「細胞の老化が進む」など、私たちは何となく認識をしながら生活しているかもしれません。

栄養学でいうならば、ストレスによって栄養素が消耗されることで組織の機能低下を促進させる、という機序が挙げられますが、この研究は特定の幹細胞への影響を示したものになり、今後は様々な組織や幹細胞への影響を解明するための研究に応用され、あらゆる疾病の解決の糸口への繋がっていくことが期待されます。

 

参考:Care Net/Nature Asia

 

 

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