仕事中、勉強中、家事の合間に、コーヒーでほっと一息をつく方は多いのではないでしょうか。
以前コーヒーは、カフェインによる健康へのネガティブな影響が問題視されていましたが、近年ではクロロゲン酸などのポリフェノールの働きによる有益な効果が知られるようになりました。
どのような食品でも、個人差はあれど適正量がありますが、コーヒーも飲めば良いというわけではありませんし、適正量を越えた摂取は注意した方が良いでしょう。
▮コーヒーの摂取量
適量のコーヒー摂取が、糖尿病を予防する・肺炎を予防する・体脂肪を減少させる・認知症を予防する等、様々な研究発表がありますが、適量は2~4杯程度が示されています。
半面、カフェインには交感神経系を亢進させる作用があるため、自律神経系に不調のある場合、高血圧や動悸、血管疾患のある場合は1~2杯に留めるなど慎重になった方が良いでしょう。
また、Nutritional Neuroscience誌2021年6月24日号では、コーヒー摂取量と脳容積に関する研究内容が掲載されました。
これによると、1日6杯以上とコーヒーの消費量が多いと、脳容積の低下が認められ、認知症リスクが高まることが示唆されています。
▮妊娠中のカフェイン摂取
近年、200mg(コーヒーおよそ2杯)程度のカフェイン摂取は、流産や早産に影響しないと言われるようになりました。
しかし、妊娠期のカフェイン摂取が、胎児の発達に及ぼす影響はまだはっきりと分かっていません。
適度なコーヒー摂取はストレスを緩和する作用などもありますが、「ストレスによるマイナス作用」「コーヒーによるプラス作用」を踏まえ考えながら、基本は「控える」けど、場合によっては上手く「利用する」摂り方が理想です。
これらを踏まえ、
・健康な人は1日2~3杯程度の摂取とし、就寝前6時間は控える
・自律神経系や血管機能に関わる疾患をもつ場合、または妊娠中などの場合は、カフェインレスコーヒーを利用するか、1日1~2杯に留める
このような摂取が理想と考えられます。
睡眠不足や疲労をカフェイン摂取で改善させようとする場合もあるかと思いますは、これはあくまでも対症療法的なものです。
カフェインで乗り切ることを続け、必要な休養を無視していると脳機能や免疫力の低下を招きます。
生活リズムや日常のタスク(無理がないか)を見直すなどして根本問題を改善する必要があるでしょう。
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NPO法人 予防医学・代替医療振興協会