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2020.04.09更新

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響で不安定な時期が続いておりますが、皆様におかれましては体調等お変わりなくお過ごしでしょうか?

今週は緊急事態宣言が発令され、本部事務局のある東京都では外出自粛や3密回避、衛生面等に一層気を引き締め、人々の危機管理意識が高まっています。

 

当協会も感染拡大のリスクを抑制するため、時差出勤や在宅勤務を導入させて頂いております。

お問い合わせ対応やお手続きに通常よりお時間を頂き、ご迷惑をお掛けすることも多いかと思いますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

今回の影響で、外出機会が制限されている方が増えているかと思います。

仕事へ行けない方、休校等により自宅での生活をしばらく続けなくてはいけないお子さん、ご家族も多い状態です。

 

今現在は、ご自身、ご家族の安全はもちろん、できるだけ多くの国民の命を守るために、外出自粛や3密回避、手洗い・マスク・咳エチケット等の衛生対策を行っていくことが不可欠です。

 

しかし、自宅でテレビやインターネットだけの生活になってしまうと、運動不足やストレスにより免疫力が低下してしまう面がありますので、自宅での生活が多くなってしまった方は是非、以下のような対策を取り入れられているか確認してみて下さい。

 

1.朝、起床後は一杯の水を飲み、日光を浴びる

2.食事は1日3食、決まった時間に摂る

3.昼寝は20分までと決める

4.家事や階段の上り下りなどで身体を動かすよう心掛け、プラスで1日10分の運動(踏み台昇降、筋トレ、ストレッチ等)を行う

5.夜は日付が変わる前に就寝し、寝る1時間前にはテレビやスマートフォンの光を目に入れないようにする

6.笑いのある生活を

 

ポイントとしては自律神経の乱れを防ぐことと、血流・筋肉量を維持することです。

 

自律神経の乱れや血流の低下は免疫機能を低下させるとともに、脳の活動を低下させるので、感染リスクが上がったり、精神不安定や認知機能の低下を招く要因となります。

 

また水分摂取量が減ると血流が悪くなるので、1日1.5ℓ以上の水分摂取を心掛け、食事もバランスよく食べることで免疫機能を維持しましょう。(免疫細胞の材料も、脳・神経の材料も、ホルモンの材料も栄養です!)

 

「笑いのある生活」について、笑いはNK細胞の活性を高めたり、ストレスを軽減する効果がありますので、こんな時こそ、不安に陥り過ぎずに肩の力を抜き、笑いある時間を大切にしましょう。

 

何かと不安が多い時期ですが、皆様のご健康をお祈りするとともに、一日も早い収束を心より祈念申し上げます。

 

 

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NPO法人 予防医学・代替医療振興協会

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2020.03.13更新

 

糖尿病などの生活習慣病では積極的な運動が勧められますが、実際に運動習慣でインスリン抵抗性が改善し、血糖値が安定しやすくなることが分かっています。

最近は新たに、新潟大学による研究で、通常だと糖尿病患者は介護が必要になるリスクが高いものの、運動を続けていれば糖尿病でない人と変わらない程度にリスクが低下する可能性が明らかになりました。

  

この研究では、三条市の特定健診と診療報酬請求および介護保険データを統合し、生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症)および生活習慣(運動習慣の有無、現喫煙)と、介護保険の利用状況との関連を検討する後方視的コホート研究を行い、運動習慣の有無は「中等度の運動を週に2回30分以上、1年間継続していること」が判定基準となりました。

 

2012~2015年に健診を受け、少なくとも2年間追跡可能だった39~98歳の1万1,469人のうち、心血管疾患の既往がなく要介護認定を受けていない9,673人(うち男性4,420人)を3.7年(中央値)追跡したところ、追跡期間中に165人が要介護認定を受けました。(うち要支援49人)

 

要介護状態の発生に関連する可能性のある既知の因子を統計的に調整した上でリスク因子を検討すると、加齢やBMI18.5未満とともに、糖尿病と運動習慣がないことが有意な因子として抽出されました。

 

続いて、前記3種類の生活習慣病と運動習慣の有無を加えた、計4つのリスク因子の保有数と要介護リスクを検討したところ、リスク因子を1つも保有していない人に比較し、2つ以上保有している場合のリスク上昇は統計的に有意とされました。

 

次に、対象全体を糖尿病の有無と運動習慣の有無で4群に分け、糖尿病がなく運動習慣がある人の要介護リスクを基準に、他の3群のリスクを比較したところ、運動習慣がない人では糖尿病がある場合に有意に高リスクであるのはもちろん、糖尿病がなくても有意なリスク上昇が認められたとのことです。

ところが、運動習慣がある人では糖尿病であっても有意なリスク上昇は認められませんでした。

 

一般に介護リスクとしては、認知症や脳血管疾患、骨折・転倒、関節疾患、衰弱などが要因として挙げられますが、運動習慣は筋力や骨密度の維持だけではなく、脳機能向上や循環器疾患の予防、そしてインスリン抵抗性の改善に有効とされていますので、糖尿病があったとしても、身体機能の維持に大きく貢献するのでしょう。

 

また、当研究における運動習慣の有無の基準として「中等度の運動を週に2回30分以上、1年間継続していること」とありますが、中等度の運動は一般に「息が少しはずむ」程度の運動とされています。

具体的にはウォーキングやジョギング、水泳、負荷が強過ぎない筋力トレーニングなどでしょうか。

 

身体をつくるのは栄養なので、食を疎かにするわけにはいきませんが、やむを得ない場合などもあると思います。

普段運動をする機会のない方も、週1回のウォーキング、または1日10分のウォーキングなど、取り入れやすいことからはじめ、徐々に習慣化していけると良いのではないでしょうか。

 

参考・引用:Care net「糖尿病でも運動していれば介護リスクは糖尿病でない人と同レベル―新潟大」

 

ウォーキング

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2020.03.12更新

 

昨年よりマイクロプラスチックの問題をよく耳にするようになりました。

プラスチックゴミによる環境汚染や自然動物への影響は長年、課題とされていましたが、マイクロプラスチックは自然へ流出しているプラスチックが目に見えないほど細かい粒子となり、食物連鎖で私たちの口の中に入ってくることが懸念されています。

 

実際、WWF(世界自然保護基金)が2019年6月に発表した研究によると、飲料水や魚介類などの食事経由から摂取するプラスチックは、1週間当たり重量換算で5グラムに相当するとされています。

1週間でプラスチック5グラムというと…

◇クレジットカード1枚

◇1日あたりストロー1本分(約0.7グラム)

 

マイクロプラスチックとは、環境中に存在する5ミリメートル未満のプラスチックと定義されていますが、実際にはマイクロメートル、ナノメートル単位の目で見えない大きさのものも多く存在しています。

海に流出するプラスチックゴミが年月をかけ漂流することでプラスチック片が細かくなり、それをプランクトンが溜め込み、プランクトンを小魚が食べ、小魚を大型の魚が食べ、大型の魚に濃縮されていくことなどが示されています。

 

これらのマイクロプラスチックは果たして体内に吸収されるのでしょうか?

欧州食品安全機関(EFSA)は、サイズによって吸収される度合が異なることを指摘しています。

150マイクロメートル未満では体内の消化管から吸収される可能性が出てきて、1.5マイクロメートル未満では体内の各組織に深く浸透する可能性が出てくるとされています。

 

飲料の場合、カナダの研究では水道水よりもペットボトルの水の方がプラスチックが多く検出され、ドイツの研究では更に再利用(リユース)のペットボトルからは新品ペットボトルの3倍以上のプラスチックが検出されたそうです。

 

また、食品についての評価では、検出データのある食品群だけのデータを使った分析なので、過小評価の可能性が大きいとされていて、肉類や穀物、野菜などはデータがないため、対象とされていません。

例えばEFSAの報告では、マイクロプラスチックを含んだ魚粉が鶏や豚の餌に使われている場合、肉に残っている可能性を指摘していますが、そうしたデータはまだ存在しません。

 

カナダの論文の筆頭著者であるキエラン・コックス博士は、論文の中で「マイクロプラスチックの暴露を減らす有効な方向はペットボトルの水を避けること。今後肉や野菜、穀類などの汚染データの研究も必須であるが、予防原則を適用とすれば、人間の暴露を減らすための最も有効な方法は、プラスチックの生産と利用を減らすことだ」と結論づけています。

 

人体への影響についてはまだ明確になっていませんが、本来、人体に入ってくるべきでない化合物が入れば、腸管免疫の低下や、神経障害など、様々な影響に繋がる可能性があります。

 

予防医学としてはもちろん、環境のため、私たちの子孫のためにも、プラスチック問題を今一度見直してみることは大切なのではありませんでしょうか。

 

参考・一部転載:WWFジャパン「海洋プラスチック問題について」/オルター通信No.1630/食の安全ウォッチNo.63

海洋汚染

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2020.03.10更新

 

3月3日、国際オーソモレキュラー医学会の報道関係者向け説明会にて、同会会長の柳澤先生がビタミンCなどの栄養素の投与による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の可能性について展望を示しました。

内容を一部、ご紹介します。

 

柳澤先生はCOVID-19について、新型ウイルスによるものなのでエビデンスこそないが「一般的な感染症では、感染しても無症状な人もいれば重症な人もいる。特に重症例は高齢者や基礎疾患のある人に遍在する。これは、個々の栄養状態、免疫力などの違いによる。通常のウイルス感染では、栄養バランスが保たれ、十分な睡眠と休養が取れており、そして免疫力が健常であれば感染は予防でき、仮に感染しても軽症となりやすい。COVID-19については治療経験がないが、これまでの研究を基に対応したい」と述べ、COVID-19の予防、重症化予防のためのサプリメント摂取について、過去の臨床試験結果を踏まえ、以下のように推奨しています。

 

■1日の推奨摂取量

ビタミンC 3,000mg/ビタミンD3 2,000IU/亜鉛 20㎎/セレン 100μg/マグネシウム 400㎎

 

■関連する臨床試験

・ビタミンCのウイルス性呼吸器感染に対する予防・症状軽減効果(J Manipulative Physiol Ther 1999; 22: 530-533)

・血清ビタミンD値による急性ウイルス性呼吸器感染症の罹患リスクの変化(PLOS One 2010; 14: 5: e11088)

・ビタミンC+亜鉛の感冒に対する効果(Chest 2017; 151: 1229-1238)

など 

 

中でも、ビタミンCはこれまでインフルエンザ、肺炎、ポリオなどほぼ全てのウイルスに有効であること、重症敗血症、敗血症性ショックにおける効果も臨床試験で明らかになっていることに触れ、同会ではCOVID-19患者には、基本的治療に加えて、医療機関におけるビタミンC点滴とサプリメント摂取を推奨するとしています。

 

また、中国では、武漢大学付属中南病院と西安交通大学付属病院で、高濃度ビタミンC点滴の併用による臨床試験を開始する旨を発表しています。

 

サプリメントや点滴などを用いた栄養療法はまだ実用が浅く、一般的な西洋医学に比較すると研究機関も少ないため、エビデンスが得られにくいところはありますが、近年では有効性が認められる範囲が広くなって参りました。

 

当協会も人の身体は栄養素によってできていることを念頭に置き、栄養療法や、生活習慣の中でも特に食習慣に重点を置いています。

上記で挙げられているビタミンC・D、亜鉛以外にも、免疫反応に働くものとして糖鎖やビタミンA、オメガ3、細胞・神経機能を正常化するものとしてレシチン、感染初期症状に有効とされるオリーブリーフ(オーレユーロペン)等も栄養療法による感冒対策には有効性の期待できる成分になります。

 

会員の皆様の於かれましても、マスクや手洗いうがい等は勿論のこと、体力、免疫力の増進に是非、生活習慣と栄養摂取の見直しを行って頂ければと思います。

 

参考:Medical Tribune/ビタミンで新型コロナ対策

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2020.02.26更新

 

「ストレスで白髪が増える」

よく耳にする話ですが、これまでこの根本的機構は解明されていませんでした。

 

1月22日、Natureオンライン版にて、米ハーバード大学幹細胞・再生医学准教授のYa-Chieh Hsu氏らがマウスを用いた実験でストレスがかかると白髪が減る機序を解明した旨を報告しました。

 

この研究は白髪についてですが、それだけでなくストレスによる様々な器官への影響を研究する基盤ともなるものです。

 

◇――――――――――

 

生物はストレスを感じると、「闘うか逃げるか」(闘争・逃走反応)のどちらかを選ぶよう自律神経が働き、ノルアドレナリンが産生されます。

今回の実験では、マウスを物理的、心理的ストレスにさらしたところ、この闘争・逃走反応の一部を担う交感神経系が活性化されて、放出されたノルアドレナリンの影響で、毛包にある色素をつくる色素幹細胞が永続的に枯渇してしまうことが判りました。

Hsu氏の説明によると、「マウスに物理的、心理的なストレスを与えてから数日後には、色素幹細胞は過剰に反応した後、全て枯渇してしまった。幹細胞が消失すると色素は再生できなくなる。しかもこのダメージは永続的なものだった。」とのことです。

 これは動物実験の結果ではありますが、闘争・逃走反応のネガティブな影響を強調しているとし、論文筆頭著者の同大学Bing Zhang氏は「特に闘争・逃走反応を刺激するような急性ストレスは従来、動物が生き延びるために役立つと考えられてきた。しかし今回、急激なストレスがかかると幹細胞を永遠に失ってしまうことが分かった。」と述べています。

また、今回の実験はストレスによって白髪が増える機序を研究したものになりますが、Hsu氏は「ストレスに対する自律神経反応が色素幹細胞に与える影響を明らかにすることで、他の組織や器官への影響についても解明していく基盤をつくることができた」と述べています。

 

◇――――――――――

 

ストレスを受けると、「免疫が下がる」「細胞の老化が進む」など、私たちは何となく認識をしながら生活しているかもしれません。

栄養学でいうならば、ストレスによって栄養素が消耗されることで組織の機能低下を促進させる、という機序が挙げられますが、この研究は特定の幹細胞への影響を示したものになり、今後は様々な組織や幹細胞への影響を解明するための研究に応用され、あらゆる疾病の解決の糸口への繋がっていくことが期待されます。

 

参考:Care Net/Nature Asia

 

 

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2020.01.29更新

 

2020年を迎え、早くも1ヶ月が経とうとしています。会員の皆様に於かれましては、お変わりなくお過ごしでしょうか。

 

さて、近頃は新型コロナウイルスが話題になっていますね。今後は日本でも感染者が増えることが予想されています。また、インフルエンザもまだまだ油断ができませんので、感染対策を徹底されている方も多いのではないでしょうか。

今回は、習慣的にとり入れて頂きたい風邪やウイルス感染症の予防対策をご紹介します。すでに網羅している方もいるかもしれませんが、是非チェックしてみて下さい。

 

◇マスク・手洗い・うがい   

基礎的なことですが、外出時はマスクをし、帰宅後は手洗い・うがいを充分行いましょう。特に人が密集しているところではマスクを忘れないようにしましょう。鼻から顎までをしっかり覆い、隙間が出来にくいマスクを選ぶことが大切です。

 

◇鼻呼吸

口呼吸をすると、空気が乾燥した冷たい状態のまま肺に向かうため、咽頭や気道が乾燥し、炎症が起きやすくなります。また、空気中のウイルスが直接侵入するため、感染リスクが上昇します。鼻呼吸の場合は、副鼻腔で空気が加温・加湿されるため咽頭や気道の乾燥が起きにくく、また、鼻毛や粘液、扁桃リンパ組織によって異物の侵入が防御されますので、ウイルスの侵入を防ぎやすくなります。

 

◇加湿器を利用する

ウイルスは寒冷乾燥を好みます。「温度20度以上、湿度50~60%で空気中の感染力が下がる」と言われていますので、空調を調整し、出来るだけ加湿器を利用しましょう。最近は卓上加湿器なども販売されてますので、仕事場ではこのようなものを利用すると良いでしょう。

 

◇疲労・睡眠不足に注意する

「睡眠時間が7時間未満の人は、8時間以上眠る人に比べて3倍以上も風邪をひきやすい」と言われている他、睡眠の質が低下した場合も免疫力が低下することが分かっています。睡眠は身体の修復に不可欠な成長ホルモンの分泌に関ります。また睡眠不足や疲労によって自律神経が乱れることで免疫機能が不安定になりますので、風邪をひきやすくなります。

 

◇日頃から筋肉量を維持する

「体温が1℃下がると免疫力は30%以上低下する」と言われています。体温の低下を予防するためには筋肉量が必要です。日頃から筋肉量を維持するために身体を動かすことを心掛け、常に良好な血流を維持できるようにしましょう。また、運動量が減りがちな季節ですが、外で日光浴をしならが散歩をすると免疫機能の正常化に働くビタミンDが体内合成されますのでおすすめです。

 

◇食事の摂り方で免疫は変わる

免疫細胞や自律神経系などの指令系統、体温を高めるための筋肉や血液など、これらの材料となるのは食事であり栄養素です。まず栄養素をバランスよく補給するために主食・主菜・副菜を含む定食型の食事を心掛けましょう。+α、味噌汁・納豆などの発酵食品は腸内環境を整え、免疫細胞の活動をサポートしてくれますので是非とり入れると良いでしょう。逆に、免疫に負担をかけてしまう食事では、食品添加物が多く含まれる加工食品・出来合い食品、炎症を誘発する揚げ油などの過多摂取、腸管免疫を低下させるグルテン過多食品(パン・パスタ・菓子等)が挙げられます。

 

◇サプリメントの活用

食事からだけでは日頃のストレス対策や免疫にしっかり働いてもらうための栄養素が補いきれない場合が多いです。より安心するためにはサプリメントを利用すると良いでしょう。ビタミンCには免疫細胞を活性化する働きがありますが、ストレスや疲労で消耗されやすかったり、身体に貯蓄しにくい性質がありますので、この時期はこまめに摂ると良いでしょう。その他では、マルチミネラル(免疫細胞の保護、活性化)、糖鎖栄養素(免疫機能の正常化)、乳酸菌生産物質(腸内環境の改善)などがおすすめです。

 

厳しい寒さが続きますが、各位に於かれましてはくれぐれもご自愛下さい。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.09.10更新

 

オメガ3系脂肪酸といえば、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、アルファリノレン酸がありますが、「集中力に良い」「血液をサラサラにしてくれる」「アレルギー症状を緩和する」など、よく耳にするかと思います。

栄養療法では不安症状の改善効果を期待して、うつ、不安神経症などの心のお悩みがある方に処方されることも多いようです。

今回は「オメガ3系脂肪酸の抗不安効果」ということで、昨年発表された面白い研究をご紹介させて頂きます。

 

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「オメガ3系脂肪酸の摂取による不安症状の軽減をメタアナリシスで確認」

 

国立研究開発法人国立がん研究センター、健康研究センター健康支援研究部をはじめとする共同研究グループは、青魚等に含まれるオメガ3系脂肪酸の抗不安効果を合計2,240人の不安症状を抱える人を対象とした19件の臨床研究をメタアナリシスで検討しました。

※メタアナリシスとは、複数のランダム化比較試験によるエビデンスを統合し、関心のある治療薬・ケア・対策の効果の大きさを評価し、より高い見地から正しい結論を導き出す解析方法。

 

■研究背景

不安は最も一般的にみられる精神症状であり、おおよそ3人に1人が生涯において何らかの不安症と診断されています。不安は生活の質や社会機能を低下させ、全死亡率を上昇させることにつながります。 がん患者さんにおいても、約半数のがんサバイバーが中等度以上の、7%が重度のがん再発不安を抱えていることが様々な研究で示されており、サバイバーシップにおける未だ満たされていないニーズの一つであることが指摘されています。不安症の治療法には選択的セロトニン再取り込み阻害薬や認知行動療法が用いられますが、前者は鎮静や依存などの副作用が懸念され、後者は治療にかかる時間、費用、そして治療者不足が課題となっています。身体疾患を抱える人の不安を和らげるための科学的根拠に基づく安全で簡便な対策が求められています。

近年、イワシ・サバ・サンマなど青魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸と不安の関連を調べる研究が多数行われ、オメガ3系脂肪酸の抗不安効果の検討が関心を集めています。マウスでの実験においても、オメガ3系脂肪酸の比率が高い餌を習慣的に食べさせると、恐怖体験について思い出したときの怖いという感覚(恐怖記憶と呼ぶ)が和らぐことが見出されています。しかし、これまで報告された臨床研究はサンプル数が少なく、研究によって結果のばらつきが大きく、オメガ3系脂肪酸が不安症状の軽減に効果があるかどうかについて明らかではありませんでした。

 

■解析対象

研究参加者:健常者、精神疾患患者、身体疾患患者

【臨床診断】

・精神:注意欠陥・多動性障害(ADHD)、境界性人格、トゥレット症候群、物質依存、
    アルツハイマー病、うつ病、強迫症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)
・身体:事故外傷、パーキンソン病、急性心筋梗塞、月経前症候群
・健常:看護師、成人、非喫煙者、高齢者、大学生

【背景】

・オメガ3系脂肪酸摂取群(1,203名、平均年齢 43.7歳、女性 55%)
・オメガ3系脂肪酸摂取量 平均1,605.7mg/d(225mg–4074mg)
・オメガ3系脂肪酸非摂取群(1,037名、平均年齢 40.6歳、女性 55%)

 

■研究結果

メタアナリシスの結果、オメガ3系脂肪酸を摂取した群はオメガ3系脂肪酸を摂取していない群と比較して、不安症状が軽減されることが明らかになりました。また層別化した解析の結果、身体疾患や精神疾患等の臨床診断を抱えている人を対象にした場合に抗不安効果が大きいことが示されました。更にオメガ3系脂肪酸を少なくとも2,000mg摂取してもらった場合に抗不安効果を認めることが示されました。

 

 

引用・転載:国立がん研究センター(がんサバイバーの再発不安を軽減する研究などへの応用を期待 オメガ3系脂肪酸の摂取による不安症状の軽減をメタアナリシスで確認)

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以上、本研究成果は、9月14日付けで米国医師会雑誌(JAMA)系列のオープンアクセスジャーナル『JAMA Network Open』へも掲載されたようです。

 

日頃、魚不足が気になる方は多いのではないでしょうか?

アレルギーや血液検査の数値が気になる方はもちろんですが、ストレスが強い方、不安になりやすい方、または脳の老化予防に・・・今一度、オメガ3系脂肪酸の摂取量を見直してみてはいかがでしょうか。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.08.01更新


パンや麺類、お菓子等の小麦製品に含まれるタンパク質「グルテン」について、腸管機能や神経機能に与える様々な影響が懸念されていますが、近年では健康な方でもグルテンの不耐性の検査を受けたり、食生活で小麦製品の摂り方に気を付ける方が増えてきました。

 

今回は、昨年にデンマーク・バルトリン研究所のKnud Josefsen氏らによって報告された、妊娠中のグルテン摂取と子どもの1型糖尿病リスクの関係についての研究をご紹介します。

 

この研究では、1996~2002年にデンマークの全国出生コホートに登録された妊婦6万3,529人(妊娠は6万7,565件)とその子どもを、2016年まで平均で15.6年間追跡調査しました。そして妊婦のグルテン摂取量を妊娠25週の時点で実施した食物摂取頻度調査票の結果から評価したところ、妊娠中にグルテン含有量の高い食品を多く摂取すると、生まれた子どもが1型糖尿病を発症するリスクが上昇する可能性があることが明らかになりました。

 

結果の要約は以下の通りとなります。

 

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■妊婦のグルテン摂取量は1日当たり平均13.0gであった。

■追跡期間中に247人の子どもが1型糖尿病を発症した。解析の結果、妊娠中の母親のグルテン摂取量が多いほど子どもの1型糖尿病リスクは増加することが分かった。母親のグルテン摂取量が1日に10g増えるごとに、子どもの1型糖尿病リスクは1.31倍に増加した。また、母親のグルテン摂取量が1日20g以上と最も多かった群では、1日7g未満と最も少なかった群に比べて、子どもの1型糖尿病リスクは2倍であった。尚、この研究は、母親の妊娠時年齢やBMI、総摂取カロリー、喫煙の有無など、潜在的に影響を及ぼす種々の因子を調整して解析している。

 

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これらの結果を踏まえて、Josefsen氏は「妊娠中の食生活を少し変えるだけで、子どもの1型糖尿病リスクを低減できる可能性が示唆された」と述べています。ただ、観察研究であるため因果関係が証明されたわけではなく、今後さらに検討を重ねる必要があると強調しています。

また、付随論説の著者の一人でフィンランド国立健康福祉研究所のMaija Miettinen氏は、母親が妊娠中にグルテンを多く含む食品を摂取する習慣があれば、子どもにもこうした食品を食べさせている可能性があるため、「母親のグルテン摂取と子どもの1型糖尿病リスクとの関連が、母親の胎内にいるうちにグルテンに曝露した結果なのか、幼少期の食生活の結果であるのか、あるいはその双方が関連しているのかは明らかになっていない」と付け加えています。

 

参考・引用:Care Net「妊娠中のグルテン摂取過多で児の1型糖尿病リスク増」/LINKDEDIET「妊娠中の高グルテン食は子供の糖尿病リスクの上昇につながる!?」

 

グルテンと子どもの発達についてはまだ研究段階で明らかになってないことも多いですが、栄養療法を取り組んでいる医療機関では子どもの発達障害やアレルギー、代謝異常等がグルテン摂取量を調整することで改善した例は多く挙げられています。

1型糖尿病との関連についてもこれから益々研究が進み、症例も多く得られるようになるかと思いますが、これまで予防が難しいとされていた1型糖尿病が防げる時代がくるかもしれませんね。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.07.25更新

 

前回に引き続き、「カンジダ菌による健康問題から身体を守るための方法」についてご紹介させて頂きます。

 

▶▶前回分をまだ見てない方はこちら

 

 

▼カンジダ菌が体内に与える影響

カンジダ菌の異常な増殖や菌糸体への変化は、様々な不調を引き起こします。

免疫系 花粉症、アレルギー、関節性リウマチ、かゆみなどの炎症反応等

消化器系 胃炎、下痢、食道炎、便秘、潰瘍性大腸炎、クローン病等

その他 味覚異常、舌痛症、気分の落ち込み、不眠、月経異常等

 

 

▼カンジダ菌との付き合い方

カンジダ菌は一生付き合っていく菌です。菌を増やしすぎず、組織侵襲性を示さない「酵母型」に変化させることが大切です。

 

【カンジダ菌とうまく付き合うための食事】

GOOD!

・新鮮な生野菜(カンジダ菌の菌糸化を抑制)

・海藻やきのこ類(腸内環境を整える)

・乳酸菌を含む発酵食品(腸内環境を整える)

・シナモンやバジル等のハーブ(解毒・抗菌作用)

・ニンニク、ショウガ等の香味野菜(解毒・抗菌作用)

NG…!

 ブドウ糖やショ糖など、砂糖を多く含む食べ物(カンジダ菌を増殖させ、菌糸化を促進させる)

 

【カンジダ菌を増やさないための生活習慣】

・抗生物質は腸内の常在菌を破壊してしまうので、長期での服用は控えましょう。

・免疫力が低下すると、常在菌とのバランスが崩れ、カンジダ菌が増殖しやすくなります。免疫細胞が多く存在する腸内環境を整えましょう。

 

 

▼栄養療法で利用される、カンジダ菌対策サプリメント

オリーブリーフ

天然の抗生物質オリーブリーフ。増えすぎてしまったカンジダ菌がもちろん、腸内の悪玉菌の除去にもおすすめです。

バイオジェニックス

免疫は腸内環境と密接な関係があります。腸内環境を整えることで、カンジダ菌が優位になるのを予防します。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

2019.07.19更新

 

食生活の変化、長寿化などが原因で問題視されはじめた酵母:カンジダ菌をご存知でしょうか。今回は、

「カンジダ菌とはどのようなものか?」

「カンジダ菌による健康問題から身体を守るための方法」

について、前編・後編の2回に分けてご紹介します。

 

▼身近な酵母・カンジダ菌

酵母は、みそ・しょうゆなどの発酵食品を作るものとして、古くから親しまれてきました。酵母には様々な種類が存在しますが、世界中の人の口から腸までの消化管や膣、皮膚などから検出できると言われている「カンジダ菌」をご存知でしょうか。カンジダ菌は、分娩時や授乳時に赤ちゃんの体内に入り込み、その後も常在菌として生き続けますが、近年では食生活の変化や高齢化によって、カンジダ菌が病原菌として注目されるようになっています。

 

▼カンジダ菌・体内での働き

通常カンジダ菌は「酵母型」という形で体内に存在します。人の免疫細胞を刺激し、細胞性免疫を強める働きをしており、本来は健康上の被害を与えるものではありません。しかし、加齢や生活習慣などが要因となって「菌糸型」に形態を変化させてしまうことで、炎症や免疫・消化管の不調などの健康被害を引き起こしています。

Candida

 

▼こんな人は要注意!簡易チェックリスト

☐ 日常的に糖質や、砂糖を多く含む食品の摂取が多い

☐ 食後、頭が働かない・ぼーっとすることがある

☐ 皮膚に原因不明のかゆみがある

☐ やる気が起こらず、疲労感が抜けない

☐ 過去に水虫や膣カンジダになったことがある

☐ 便秘や下痢などお通じの悩みがある

 

多くあてはまるほど、体内のカンジダ菌の多くが菌糸型に変化している可能性があります。カンジダ菌は完全には排除できませんので、上手に付き合うことが大切です。

 

 

「カンジダ菌による健康への影響<後編>」へつづく

 *次回は、カンジダ菌が体内に与える影響や、カンジダ菌との付き合い方について、ご紹介させて頂きます。

 

投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

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