妊娠前~妊娠初期における葉酸サプリメントの摂取が、胎児の神経管閉鎖障害の予防に有効であることは知られていますが、妊娠中期~後期にかけての摂取にベネフィットがもたらせるかの検証はこれまで十分に行われていませんでした。
BMC Med(2021; 19: 73)で、妊娠中を通した葉酸の摂取が出生児の認知能力および脳機能に及ぼす影響についての報告が掲載されました。
これによると、北アイルランド在住の妊婦を対象とし、
▮妊娠初期に加え、中期以降も葉酸サプリメントを摂取(37例)
▮妊娠初期に葉酸サプリメントを摂取し、中期以降はプラセボを摂取(31例)
この2群に分けて比較を行ったところ、 前者の中期以降も葉酸摂取を行った群の方が、
・児の出生時の血清葉酸値
・児の情報処理能力や言語反応
が有意に高いことが示されました。
つまり、これまで妊娠初期までに気を付けて摂取すればよいと思っていた葉酸ですが、妊娠中期以降も継続的に摂取することで、子どもの脳や神経機能にプラスに影響する可能性が高いということです。
今や予防医学はお母さん世代から意識する必要のあるものですが、親世代の心掛けで子どものQOLを高める意識づくりがより広まっていけば素敵ですね。
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NPO法人 予防医学・代替医療振興協会