世界的なコロナ渦の中で、「コロナ疲れ」「コロナうつ」といった言葉が使われるようになりました。
米ワシントンポスト紙の調査によると、新型コロナウイルス感染症流行拡大によるストレスレベルは、リーマン・ショック時よりも高くなっているとのことです。
6月18日、日本抗加齢医学会が主催したメディアセミナーに於いて、堀江重郎氏(順天堂大学大学院医学系研究科泌尿器外科学教授)が「Stay Homeのアンチエイジング」と題し、疲れがDNAレベルにもたらす影響やその対策法についてお話しました。
その内容を一部、ご紹介致します。
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▮ セルフ・コンパッションによるストレス対策
一般的なアンチエイジング対策には、加齢に伴い増加する酸化ストレスをいかに抑制させるかが鍵となるが、心のアンチエイジングを保つための有用な方法として、同氏はセルフ・コンパッションを推奨。
セルフ・コンパッションとは、「あらゆる人の幸せを願う」「あらゆる人の苦しみがなくなることを願う」「あらゆる人の幸せを喜ぶ」「偏りのない平静で落ち着いた心」という、ダライ・ラマ14世の教えである。
これにより、他人のために何かをしようとする前に自分自身を労ろうという考え(自分への優しさ、共通の人間性の認識、マインドフルネス)を意識することで、幸福感や打たれ強さ、つながり感が増幅し、ストレス・うつ・不安になりにくい体質が形成されることが明らかになってきている。
セルフ・コンパッションの効用をまとめると、
1)幸福感を高める
2)ストレスを減少させる
3)レジリエンス(回復力、弾性)が高い
4)自己改善のモチベーションが高く自分らしい人生を送れる
などがある。
近年、セルフ・コンパッションの概念を持つ人はテロメアが長いことも報告されており、抗加齢医学の研究でも重要な役割を果たすとされている。
※テロメア:遺伝子の老化度を示す
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引用:CareNet.com(https://www.carenet.com/news/general/carenet/50401)
心理的ストレスは動脈硬化症や心疾患など生活習慣病だけではなく、テロメアの長さにも影響を及ぼすことが知られています。
セルフ・コンパッションとは、直訳すると「自分への慈しみ」「自分への思いやり」などを示しますが、自身の強みや弱みを認めることができ、「あるがままの自分」を肯定的に受け入れられる心理状態を意味します。
「心のあり方」が肯定的になることで、ストレス耐性を高め、心の問題はもちろん、老化や生活習慣病の予防に繋がるのです。
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NPO法人 予防医学・代替医療振興協会