3月3日、国際オーソモレキュラー医学会の報道関係者向け説明会にて、同会会長の柳澤先生がビタミンCなどの栄養素の投与による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の可能性について展望を示しました。
内容を一部、ご紹介します。
柳澤先生はCOVID-19について、新型ウイルスによるものなのでエビデンスこそないが「一般的な感染症では、感染しても無症状な人もいれば重症な人もいる。特に重症例は高齢者や基礎疾患のある人に遍在する。これは、個々の栄養状態、免疫力などの違いによる。通常のウイルス感染では、栄養バランスが保たれ、十分な睡眠と休養が取れており、そして免疫力が健常であれば感染は予防でき、仮に感染しても軽症となりやすい。COVID-19については治療経験がないが、これまでの研究を基に対応したい」と述べ、COVID-19の予防、重症化予防のためのサプリメント摂取について、過去の臨床試験結果を踏まえ、以下のように推奨しています。
■1日の推奨摂取量
ビタミンC 3,000mg/ビタミンD3 2,000IU/亜鉛 20㎎/セレン 100μg/マグネシウム 400㎎
■関連する臨床試験
・ビタミンCのウイルス性呼吸器感染に対する予防・症状軽減効果(J Manipulative Physiol Ther 1999; 22: 530-533)
・血清ビタミンD値による急性ウイルス性呼吸器感染症の罹患リスクの変化(PLOS One 2010; 14: 5: e11088)
・ビタミンC+亜鉛の感冒に対する効果(Chest 2017; 151: 1229-1238)
など
中でも、ビタミンCはこれまでインフルエンザ、肺炎、ポリオなどほぼ全てのウイルスに有効であること、重症敗血症、敗血症性ショックにおける効果も臨床試験で明らかになっていることに触れ、同会ではCOVID-19患者には、基本的治療に加えて、医療機関におけるビタミンC点滴とサプリメント摂取を推奨するとしています。
また、中国では、武漢大学付属中南病院と西安交通大学付属病院で、高濃度ビタミンC点滴の併用による臨床試験を開始する旨を発表しています。
サプリメントや点滴などを用いた栄養療法はまだ実用が浅く、一般的な西洋医学に比較すると研究機関も少ないため、エビデンスが得られにくいところはありますが、近年では有効性が認められる範囲が広くなって参りました。
当協会も人の身体は栄養素によってできていることを念頭に置き、栄養療法や、生活習慣の中でも特に食習慣に重点を置いています。
上記で挙げられているビタミンC・D、亜鉛以外にも、免疫反応に働くものとして糖鎖やビタミンA、オメガ3、細胞・神経機能を正常化するものとしてレシチン、感染初期症状に有効とされるオリーブリーフ(オーレユーロペン)等も栄養療法による感冒対策には有効性の期待できる成分になります。
会員の皆様の於かれましても、マスクや手洗いうがい等は勿論のこと、体力、免疫力の増進に是非、生活習慣と栄養摂取の見直しを行って頂ければと思います。
参考:Medical Tribune/ビタミンで新型コロナ対策
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NPO法人 予防医学・代替医療振興協会