暑い季節にご用心(脱水症・熱中症・熱射病)
2025.06.10更新
これから夏に向けた季節、ニュースなどでも耳にすることが多くなる脱水症・熱中症・熱射病。2024年5~9月の期間に、熱中症で救急搬送された方は97,578人。高温の日数が多い年、異常に高い気温の日がある年は、発生が増加する傾向にあり、特に2010年以降は大きく増加しています。夏は気温とともに体温も上昇するので、身体は発汗によって体温を下げようとします。その汗には、水分だけでなく塩分も含まれており、この両方が失われることで脱水症になります。脱水症を放っておくと、熱中症、熱射病へと症状が移行していきます。
<脱水症>水と電解質(塩分が水に溶けると電解質になります)で構成される体液が汗で失われ、その補給ができていない場合に生じます。脱水症になると、血液の量が減り、血圧が低下します。必要な栄養素が体に行き渡らなくなり、不要な老廃物を排泄する力も低下します。また食欲不振などの原因にもなります。更に骨や筋肉から電解質が失われることで、脚がつったり、しびれが起こることもあります。脱水症が熱中症の様々な症状を誘発します。
<熱中症>熱中症とは気温の高い環境で生じる健康障害の総称です。体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、倦怠感、けいれんや意識障害などの症状が起こります。
<熱射病>熱中症のひとつ。脱水症が進み、体温を調節する働きが追いつかなくなることで40℃を超える高体温になり、脳の体温調節中枢機能が麻痺して起こります。重症の場合には意識障害やショック状態になることもあります。熱射病がもっとも危険で、死亡することもまれではありません。
【尿の色による脱水症状判定チャート】
以下のチャートと自分の尿の色を比べることで、脱水症状の度合いを調べることができます。横に示された対策を行い、自分の体の水分量を回復させましょう。
【熱中症予防をしよう】
① 暑さを避ける
…屋外では日陰を選んで歩いたり、日傘をさしたり帽子をかぶったりしましょう。屋内では扇風機やエアコンを適切(設定温度28度以下、湿度60%以下)に使ったり、すだれやカーテンで直射日光を防いで暑さを避けましょう。
② 服装を工夫する
…吸収性に優れた素材の服や下着を着て汗を吸収させましょう。また衿元はなるべく緩めて通気を良くしましょう。太陽光の下では熱を吸収する黒色型の衣類は避けましょう。
③ こまめに水分を補給する
…知らず知らずのうちに汗をかいているので、こまめに水分補給をしましょう。たくさん汗をかいた時は、水分と共に塩分も補給しましょう。アルコールは、尿の量を増やし体内の水分を排出してしまいます。飲酒の際にもミネラルウォーターなどを一緒に飲んで脱水症状を予防しましょう。
④ 暑さに備えた体づくりをする
…日頃からウォーキングなどで汗をかく習慣を身につけておくと、夏の暑さにも対抗しやすくなり、熱中症にもなりにくくなります。
⑤ 日頃から体調の管理を行う
…熱中症は、その日の体調が影響します。前の晩に深酒をしたり、朝食を抜いて暑い環境に行くのは避けましょう。また発汗時に失われるビタミンやミネラルを補給しておくことも重要です。「カリウム」「マグネシウム」「ビタミンB1」や細胞内外のバランスを整える「レシチン」を普段から摂取しておきましょう。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
NPO法人 予防医学・代替医療振興協会
投稿者: