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2021.07.27更新

 

DHAやEPAをはじめとしたオメガ3系脂肪酸の健康に対するあらゆる有効性は、今や幅広い層の方が認知し、健康維持のために摂取を意識している方も多いかと思います。

 

BMJ誌2021年7月1日号では、オメガ3系及びオメガ6系脂質の摂取量と偏頭痛軽減について、以下のような研究が報告されました。

 

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この研究は米国立老化研究所(NIA)のChristopher E. Ramsden氏らによるもので、毎月5~20日間、片頭痛が発現し、前兆の有無を問わず国際頭痛分類の偏頭痛の基準を満たす成人患者を対象とし、行われました。

被験者182名(平均年齢38歳、女性88%)は、オメガ3系脂肪酸であるEPA+DHAと、オメガ6系脂肪酸であるリノール酸の含有量に基づく2種の食事介入群、および対照群の3群に無作為に割り付けられました。

 

【介入群1/H3食】61例

EPA+DHAの量を1.5g/日に増量し、リノール酸をエネルギーの7.2%(米国の平均的な量)に保持した食事

【介入群2/H3-L6食】61例

EPA+DHAの量を1.5g/日に増量し、リノール酸をエネルギーの1.8%以下に減量した食事

【対照群】60例

EPA+DHAの量を150mg/日未満(米国の平均的な量)、リノール酸をエネルギーの7.2%に保持した食事

 

※主要エンドポイントは、16週の時点における血中の抗侵害受容性メディエータである17-ヒドロキシドコサヘキサエン酸(17-HDHA)および、頭痛が生活の質(QOL)に及ぼす影響を頭痛インパクトテスト(HIT)で評価し、頭痛の頻度は電子日誌で毎日確認。

 

この試験により、両介入群は対照群と比べて、疼痛軽減に関与する17-HDHAのレベルが優位に上昇していた。

HITのスコアについては両介入群で改善が認められたものの、統計的な有意差は認められなかった。

 

1日の総頭痛発現時間はいずれも、両介入群とも対照群と比べ短縮し、「1日当たりの頭痛持続時間」はH3食群で1.3時間、H3-L6食群で1.7時間減少、「1か月当たりに1時間以上の頭痛が生じた日数」もH3食群で2日、H3-L6食群で4日減少し、食事中のリノール酸の量を少なくすれば、頭痛に関して更なる利益が得られることが示唆された。

 

参考:CareNet.com「高n-3系+低n-6系脂肪酸食、片頭痛の頻度と痛みを軽減/BMJ」(https://www.carenet.com/news/journal/carenet/52644?utm_source=m15&utm_medium=email&utm_campaign=2021071502)

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オメガ3とオメガ6の脂肪酸の摂取バランスは、1:4が理想的であると言われていますが、魚介類の摂取機会の少ない現代の日本人はこのバランスが1:10~20(またはそれ以上)までに崩れていると言われています。

本来は、オメガ6も必須脂肪酸ではありますが、必要以上に摂り過ぎていることで、アレルギーをはじめとした免疫異常や炎症反応を招きやすくなることが危惧されています。

参考までに、以下はオメガ3系及びオメガ6系の脂肪酸が多い食品です。

 

▮オメガ3系脂肪酸が多い食品

・ サバ、サンマ、サーモン、イワシ、その他魚介類(特に青魚)

・エゴマ油、アマニ油、しそ油

▮オメガ6系脂肪酸が多い食品

 ・牛肉、豚肉、鶏肉、加工肉等の肉類

・大豆油、コーン油、ごま油

・スナック菓子、惣菜パン、菓子パン等

 

肉類は、タンパク源として優秀な食品であり、ミネラルやビタミンB群等の補給源ともなりますが、「頭痛や疼痛がある」「血中脂質が気になる」「アレルギー体質」等の方は、今一度、脂質の摂取バランスを見直してみると良いのではないでしょうか。

 

 

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NPO法人 予防医学・代替医療振興協会

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投稿者: 予防医学・代替医療振興協会

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